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スタッフレビュー専門スタッフがこの商品を徹底レビュー!
2016/10/22
Flaming Wand “Karine”付属モデル

◎特徴
特性まるで違うドライバーを組み合わせるのは、一見、奇妙に感じるかもしれません。
しかし、これは音楽において低域とそれ以上の帯域のバランスと役割を考えると自然な発展形と言えます。
一般に低域はほかの帯域に比べて極めてレベルが高く、大きな入力に対する耐歪特性が求められます。
平易に言えば、バスドラやグランカッサの圧倒的な物量から生み出される低域をいかに鳴らしきれるかということになります。
対してそれ以上の帯域ではそこまでの耐入力は必要なく、ボーカルやバイオリンなどの倍音を豊富に持つ発生体を、いかに滑らかに再生するかになり、前述の通り実際の録音物を鑑みると、低域とそれ以外では全く別の役割を持つのです。
イヤフォンのWitch Girl Proのような異種ドライバーを組み合わせたハイブリッド化はスピーカーの歴史においても同様に見受けられます。
Martin Loganをはじめコンデンサードライバ+ダイナミックドライバという異種ドライバーの組み合わせがあることを考えれば、イヤフォンにおいても同様の発展形が生まれるのは自然なことです。
音楽的に見て自然なユニット構成となると、どのような効果があるのか。
これは実際にWitch Girl Proを聞いていただくしかありませんが、その時は是非ダイナミックレンジの大きい楽曲を聞いてみてください。
バスドラが強いビートを刻む楽曲では、どのようなボリューム位置でもピークで崩れて聞こえてしまうことはないですし、低域のニュアンスが常に安定して聞こえることにより音像や音場も自然なものとなります。
また、グランカッサのホールを揺るがすような音も強烈なアタックからホールに響き渡る残響を含め正確に鳴らします。
一方でイヤフォンのハイブリット化、特に低域にダイナミックドライバーを2つ積むことによって、問題もあります。
プレイヤー/アンプに強力な駆動力を求めてしまうということです。
いかにイヤフォン側で低域を正確に発音できると言っても上流側の性能が劣ってしまってはそこがリミットになってしまいます。
ハイブリット化という音楽再生において妥協を排した故の非常なる選択によって、Witch Girl Proは至上の音質を目指しました。
また、多ドライバー化では筐体が大きくなりイヤフォンの付け心地が悪いという問題もありますが、Witch Girl Proはオールハンドメイドによる筐体製作によりこの問題を克服しました。
シェルとフェイスプレートのつなぎ目に一切の切れ目がありません。
カスタムイヤホンと同等のフィット感、長時間つけていても疲れない筐体の形状となっています。
Witch Girl Proを使うことで、今までになかった最高のサウンドエクスペリエンスを体感できます。
推薦文 / オーディオライター:野村ケンジ氏
独自の昇圧回路設計により、ポータブル機器でありながら据置きなみの±15V駆動を実現。別売のOpaKitを使用することで、デュアルモノ駆動にも対応するなど、徹底的に音質にこだわったポタアン(ポータブルヘッドホンアンプ)を作り上げることで、ポータブルオーディオファンから確かな信頼を得つつある香港の新興ブランド、AROMA(アロマ)。そんな彼らが、日本国内リリース第2弾として展開することとなったのが、上級クラスのカナル型イヤホン「Witch Girl」シリーズだ。 今回発表されたのは、「Witch Girl Pro」と「Witch Girl S」の2モデル。どちらも、カスタムIEM然としたシェルデザインをもつ、ユニバーサルタイプのカナル型イヤホンで、「Witch Girl Pro」は6ドライバー、「Witch Girl S」は5ドライバー構成となる。なかでも注目なのが「Witch Girl Pro」だ。6ドライバーのうち、低域用の2基は6mm口径のダイナミック型を採用。それに中域2、高域2基のKnowles製BA(バランスドアーマチュア)型が組み合わされた3ウェイ構成となっている。また、装着感についてもこだわりを持っていて、シェルとフェイスプレートのあいだに一切のつなぎ目がない、オールハンドメイドのボディを制作。長時間つけていても疲れない、カスタムイヤホンと同等のフィット感を実現している。いっぽう、「Witch Girl S」のほうは同じボディを採用しつつ、その内部に搭載するドライバーをBA型で統一。低域2、中域2、高域1の5基による3ウェイ構成を採用している。 肝心のサウンドはいかがなものだろうと、まずは「Witch Girl Pro」から。一聴して驚いたのだが、外観のカスタムIEM然としたスタイルからは想像できない、バランスの良い、ジェントルな音色を持ち合わせているのだ。同時に、しっかりとした広がり感まで持ち合わせている。そういったキャラクターを持ち合わせるためか、ヘッドホンアンプに対してかなりのクォリティを求める傾向があり、駆動力が高く、それでいてニュアンス表現の細やかな製品が必要となるが、ピタリとはまれば、リアルさと心地よい響きを併せ持つ、上質なサウンドを楽しませてくれる。どちらかといえば、リスニング向けの高級ヘッドホンに近いサウンドキャラクターといえるかもしれない。いっぽう、「Witch Girl S」の方は、外観のイメージ通りというべきか、フレッシュで活気に満ちたサウンド。リアルな音色で、活き活きとした演奏を楽しませてくれる。グルーブ感の高い、ノリの良い演奏を得意としている。 「Witch Girl Pro」と「Witch Girl S」、どちらのかなりの良音質を持ち合わせている製品だが、それぞれに個性あるサウンドキャラクターを持ち合わせているのは面白い。是非ともじっくり試聴して、自分好みの製品はどちらか、確認して欲しい。
◎スペック
・高域:2バランスドアマチュア型ドライバーユニット
・中域:2バランスドアマチュア型ドライバーユニット
・低域:2ダイナミック型ドライバーユニット(口径8㎜)
□感度:118dB/mW
□インピーダンス:16Ω
□周波数特性:20-20kHz
□付属ケーブル:
・OCC:1.2m 3.5mmステレオプラグ
・リケーブル対応(2pin)