高音の質:50
中音の質:50
低音の質:45
細やかさ:50
迫力:35
音場:45
遮音性:50
音漏耐性:50
2018年の初めに購入し、ほぼ毎日使用して1ヶ月ほど経過。
そろそろ自分の中での評価が固まりましたのでレビューを書いてみました。
このイヤホンで特徴的なポイントを幾つかに分けて記載します。
【音の明瞭さ】
第一に、一聴してわかるのは中域から高域にかけての明瞭さです。
驚くほどクッキリ、ハッキリとしたクリアな音で
物理的には完全に密閉されているにも関わらず音ヌケが非常に良く
音が滲んだり、ぼやけたりといった事がわずかにも感じられません。
その明瞭さ故、細かな音までも一つ一つ完璧に拾う事ができ
他のもので例えるならば、眼鏡の度数を調整し直したかのような感覚があります。
メーカーの説明に「濃い音」とありますが、それはこのクッキリした感じを指しているのかな?と思いました。
よく、安価なイヤホンから高価なイヤホンに乗り換えた時に
「今まで聞こえなかった音が聞こえる」という感想が出てきますが
ある程度以上高価なイヤホンを既に使用している場合、
更に高価なものに買い替えたとしてもこの言葉が出てくることはあまり無いかと思います。
実際、私も10万円以上の機種を幾つか持つようになってからは
この言葉とはすっかりご無沙汰でした。
しかし、Yaoの場合は世間に並み居る高級機と比べてもなお目を見張るものがあり、
久しぶりに「今まで聞こえなかった音が聞こえる」という感想が自然に出てきて自分でも驚きました。
【音場・空間表現】
第二に、音場の広さ・空間表現の上手さについてです。
私の経験上、一音一音がクッキリ・ハッキリと明瞭なタイプのイヤホンは
音場があまり広くない・空間表現が上手くないものが多かったように思うのですが
このイヤホンは音の明瞭さと音場の広さ・空間表現の上手さを両立できています。
まず音場についてですが、音場の狭いイヤホンですと、狭い部屋の中で演奏しているような感じになり、
音が一定以上には広がらず、そこで途絶えてしまうような聞こえ方になります。
一方Yaoは、非常に広い部屋(あるいは、壁が無い場所)で演奏しているような聞こえ方をし、音の広がりを遮るものがありません。
空間表現は、それが下手なイヤホンですと、まさに耳の横で鳴っているような聞こえ方になります。
この場合、全ての楽器が等間隔に並んでいるような感じで、どの楽器がどこに配置されているのかよくわかりません。
一方Yaoは、自分から少し離れた場所で演奏されているような聞こえ方で
全体を俯瞰でき、どこで何の楽器が鳴っているのかが非常に掴みやすいです。
多くのイヤホンでは、ジャズバンドの演奏などを聴くと
まるで自分がバンドの中心に紛れ込んだような聞こえ方になるのですが
Yaoの場合、そこから抜け出して観客向け座席の最前列にいるような適切な距離感があります。
にも関わらず、ある特定の楽器の音に注意を向けた瞬間
まるで自分が座席から演奏者の手元に移動したかの如く
その楽器の音だけを苦もなく聞き分ける事もできます。
ここに、明瞭さと音場・空間表現を両立できている凄さを感じます。
【遮音性・フィット感】
音質については上述の通り素晴らしいものがありますが
遮音性やフィット感、つまり、使い勝手の良さも抜群です。
シェルの内部に樹脂が満たされている構造なので、筐体そのものは外音をほとんど通しません。
加えて、ノズルが長いためイヤーピースが耳の奥で蓋をすることになり
良好な遮音性を確保し…