高音の質：45
中音の質：45
低音の質：45
細やかさ：50
迫力：45
音場：45
遮音性：50
音漏耐性：50
Softearsは、水月雨(Moondrop)と研究開発チームを共有する兄弟的なメーカーのようで、中国のポータブルオーディオ界隈では Softears RS10 がリファレンス機の定番としてレビューでいつも引き合いに出されます。
RSV(Reference Sound Five)はその弟分として、より現代の幅広い音源に適した機種として開発されたようです。
一聴してどこにも誇張がなく自然で、音源の音があるがままに鳴るという印象を受けました。聴いて心地よく、いつまでも聴いていたくなる機種です。
超高域から超低域まで聴感上突出した帯域がなく満遍なくバランスよく鳴り、どの帯域も歪感や粗さがなくレスポンス良く、きめ細かで音のディティールや質感がわかりやすく感じます。
刺さりとは無縁の聴き疲れしないタイプの音で、最近の高域や低域の強調されたイヤホンに慣れていると、音源ジャンルによっては物足りなさを感じるかもしれません。が、録音の優れた音源ではその能力をいかんなく発揮してくれるタイプのようです。
音場空間は広すぎず狭すぎず、ボーカルや楽器の音が背景の空気感の中に実体感を持って現れるように感じ、どんな楽器や音源も不自然さや破綻なく自然に鳴らし切ってくれる印象です。音の重なりもきれいに層になって聴こえます。
全体的な音の傾向として、手持ちの機種で近いのはモニター系の Noble Audio Sage (2BA機)で、Sage をより一層ゴージャスにして音の厚みや奥行きが増したイメージに近い感じです。
インピーダンスが8Ωと低く、感度が125dB/Vrmsもあるので、スマホでも充分鳴らせます。ステムが太めで遮音性がかなり高いので、iPhone SE(2020) にApple純正Lightningアダプターを介して、ボリューム 20〜40% 程度で充分な音量が取れ、KANN ALPHA では MID GAIN でボリューム 30〜50 以内で今時のPops/RockやEDM系なら充分な音量です。
数値上の感度は高いですが、バックグラウンドヒスノイズはiPhoneでもほぼ聴こえないレベルなので、アンプを選ばず使い勝手は良いと思います。
もちろん、上流のDAPやアンプの能力が上がると、如実に音に反映されます。
ステムの直径が約6.8mmあるので、耳穴の小さな方だと窮屈に感じる可能性があるのと、装着できるイヤーピースはやや限られます。
イヤーピースは、シリコーン製のノズル径の小さめのものと、フォームタイプ2種類が付属しますが、太軸用の SpinFit CP155 などもピタッとはまりました。個人的には、付属のSサイズか、AET07(M-)が装着感と音のバランスがよく感じました。
付属のケーブルはかなり丈夫そうですが、スライダーがなくややタッチノイズが気になるところはあります。
カーボンと金箔が立体的に埋め込まれたフェイスプレートは見た目も非常に美しく、10万円以下でリファレンスになるようなクセのない音の万能機が欲しいという方には特にオススメします。
個人的には、この機種があればこれ以上の機種はもういいかなと思えました。(今の所
