高音の質:40
中音の質:40
低音の質:50
細やかさ:40
迫力:50
音場:50
遮音性:30
音漏耐性:50
20万オーバーのイヤホンが当たり前に新製品として毎日発表されるとんでもない時代になってしまった今においても、三年前に発表されたこのイヤホンはとても魅力的な音でしたので購入させていただきました。
音質なのですが高域は不思議な感じがして刺さるだろうという伸び方をするかと思いきやその一歩手前で弱くなる、例えるなら高くなるにつれて徐々に線が細くなってそのまま消えていくような不思議ななり方をします。非常に独特なんで一度聞いてもらわないとわからないかと思いますが、ドライバーに金属コーティングしたり金属筐体を採用して出てくるような誤魔化した音ではなくて自分は好きでした。
このイヤホンの特徴は低・中域にあってとにかくDDのサウンドがとてもよくできています。中域はBAとDDが合わせて鳴っているんで、ボーカル等はBAドライバーによって非常に繊細に聞こえながらも、DDドライバーで周りの息遣いだとかを表現していて非常に自然で生々しい音がでてきます。これは単にBAとDDを積んだイヤホンでは中域はBA・低域はDDと分けてしまっていてここまでリアルな音はボーカル特化型イヤホンとかでしか出てこないようなそんな音が出てきます。
低域なんですがまぁ素晴らしい。驚くほど迫力とアタック感のあるサウンドです。決して量感で誤魔化してるわけではなく質で勝負してきています。量がないのに空気が震えてるのがわかる。視聴してみてください、この音は言葉では説明が付きません。だとレビューの意味がなさそうなので出来る範囲で言葉にしますと、奥底から出た低音がその場全体に伝わっていて、その空気の振動だとかそんな物が手に取るようにわかるといえばいいんでしょうか。
ほんとに唯一無二な低音が出てきます。惚れました。
このイヤホンには独自技術が積んであってAPEXモジュールというものなんですけどこれを付け替えると低域の音の出方が変わります。
デフォルトグレー軸はベースがよく聞こえるドンシャリのnioサウンド・黒軸は低域が弱くなり中高域にフォーカスが行くandromedaサウンド・銀軸はベースよりさらに下の打楽器がよくでるようになるlegend Xサウンドになります。
いろんな音に好みで付け替えられるんで面白いですね。
イヤホンの難点としてはステムは長いんでイヤーピース選びにかなり苦労します。
ステムに滑り止めがついていて途中までしか刺さらないタイプだと自慢の低域がくぐもってしまって良さが消えてしまうので、JVCやAZLA等の最後まで貫通する系のイヤピをお勧めします。
音質のまとめとしてはきれいな高域・質が高いながらも自然な中域・圧倒的質感の低域といったところでしょうか。
中・高域に関してはハイエンドイヤホンであればいくつか質で優っているものはありますが、低音の質に関してここまでの物はないですね。
キレがあり、キレイな音が出ながらもノリよく聞ける。こんな相反する要素全てを兼ね備えてる唯一無二なイヤホンでした。