【COPPER特集】究極の音は「重さ」に宿る。メーカーが辿り着いた銅のロマン【ONIX・SHANLING】

【COPPER特集】究極の音は「重さ」に宿る。メーカーが辿り着いた銅のロマン【ONIX・SHANLING】

なぜ、「銅」なのか?

オーディオ製品において、筐体(ボディ)の素材はアルミやステンレスが主流の現代。加工がしやすく、軽くて丈夫。持ち運ぶポータブル機材において、それは間違いなく「正解」です。


しかし、専門店e☆イヤホンの店内を眺めていると、時折「異端児」と呼ぶべきとある素材を使った製品たちに出会います。

なぜ、「銅」なのか?_1

コストがかかる。

放っておくと酸化して変色する。


そして、重い。


ポータブル機材としての利便性を真っ向から否定するような、「銅(COPPER)」をわざわざ採用したモデルです。

なぜ、「銅」なのか?_2

なぜ、各メーカーの技術者たちは、これほど手のかかる素材を選ぶのでしょうか?それは単なる「限定のカラーバリエーション」などではありません。

「音質のために、一切の妥協を捨てた結果」


彼らが極限のサウンドを追い求めた末に辿り着いた、究極の選択。それが銅(COPPER)なのです。

なぜ、「銅」なのか?_3

今回は、我々オーディオオタクを惹きつけてやまない「銅」というマテリアルの秘密と、注目のCOPPERモデル3機種をご紹介します。


せめちゃん

書いた人:せめちゃん

e☆イヤホンライター


ポータブルオーディオの沼から、日々情報とスタッフの熱量をお届けしています。



銅(COPPER)がもたらす3つの恩恵

「筐体が銅になるだけで、本当に音が変わるの?」そう疑問に思う方もいるかもしれません。


銅がオーディオ機器、特にハイエンドモデルにもたらす3つの「物理的・音響的な恩恵」を解説しましょう。

① 圧倒的な「制振性」がもたらすブレない輪郭

 圧倒的な「制振性」がもたらすブレない輪郭_1

銅の最大の特徴、それは「比重(重さ)」です。アルミやチタンを遥かに凌ぐ重みを持っています。オーディオにおいて、微細な振動は音の輪郭をボヤけさせる天敵。

 圧倒的な「制振性」がもたらすブレない輪郭_2

銅はその圧倒的な質量によって、内部の回路やドライバーから発生する不要な振動を物理的にねじ伏せます。結果として、音がブレることなく、極めてクリアでピントの合ったサウンドが立ち上がるのです。


② 優れた「シールド効果」が生み出す静寂

 優れた「シールド効果」が生み出す静寂_1

スマホやWi-Fiなど、現代は目に見えない電磁波ノイズで溢れています。銅は非常に高い導電性を持っており、外部からのノイズを防ぐ強力な「シールド」として機能します。

 優れた「シールド効果」が生み出す静寂_2

このノイズ遮断効果により、背景のノイズフロアが極限まで下がり、S/N比(信号とノイズの比率)が圧倒的に向上。無音状態の「圧倒的な静寂感」が生まれるのです。


③ 魅惑の「音響特性と余韻」

魅惑の「音響特性と余韻」_1

そして何より、我々が銅に惹かれる最大の理由がこれです。金属としての物理的な硬さと、内部損失の絶妙なバランスが生み出す、銅特有の「艶」。

魅惑の「音響特性と余韻」_2

アルミのキレの良さや、ステンレスの硬質な響きとは違う。重心がグッと深く沈み込む低音と、ボーカルの吐息がどこまでも艶やかに伸びていく極上の余韻。これは、銅筐体でしか味わえない魔力とも言えるサウンドです。


至高のCOPPERモデル3選

今回は、奇跡的にも同時期に登場した「ポータブルDACアンプ」「コンパクトDAP」「弩級フラッグシップDAP」という、形態もアプローチも異なる最新のCOPPER機3台をピックアップしました。

1. SHANLING / UA7 Copper

〜手のひらに潜む真鍮の怪物。真空管のマイクロフォニックを銅が制振するドングルDAC〜

UA7 Copper_1

高強度銅合金CNC削り出し筐体

デュアルJAN6418真空管搭載 

TUBE・トランジスタモード切替

UA7 Copper_2
UA7 Copper_3

スマートフォンの背面に添えるドングルDACでありながら、本体重量「約99g」という、通常版の倍近い重厚な高強度銅合金を纏ったモンスター機です。


心臓部にはESS社の電流出力DAC「ES9069」に加え、ヴィンテージ真空管「JAN6418」をデュアルで搭載。

UA7 Copper_4

真空管は本来、振動によって「キーン」というノイズ(マイクロフォニックノイズ)を拾いやすい繊細なパーツですが、銅筐体の高い機械的ダンピング(制振性)と電磁シールドがその弱点を完璧に克服しています。

UA7 Copper_5

4.4mmバランス出力時には最大577mW(@32Ω)という据え置き級の駆動力を発揮。スイッチ一つでトランジスタモードの端正な音と、真空管モードの芳醇で温かみのある音を切り替えられる、手のひらサイズの極上アンプです。

e☆イヤホンスタッフレビュー

スタッフ名
お嬢
所属店舗:e☆イヤホン 名古屋大須店

銅に酔いしれる。

まず「UA7 Copper」が視界に入った瞬間に誰もが思うのは、「かっこいい」の一言だと思うんです。

銅というだけでもうかっこいいですし、ボリュームは横からの造形美だけで時間が溶けます。アンプの型番が刻印されているのも、見目麗しいポイントのひとつ……。

それでいて真空管のオレンジの光と、ボリュームノブの青の光のコントラストも美しいです。そしてずっしりとした重厚感ある重みもあり、見た目だけで語り尽くせないかっこよさがあります。

音は銅の特性と真空管の特性のよいとこ取り……!
銅の低域のしっかり沈み込むような音作りと、真空管の温かみがあるウォーム寄りな音作りです。「それだと音が滲むんじゃない?」と思う方もいると思いますが、どちらかというと、真空管をONにしたときのほうが出力が安定し、音の締まりがよくなったように感じました。真空管OFFのときのほうがより、銅の特性を強く感じられます。

音質については、真空管OFFのときは中低域にフォーカスが当たる感じで、ONのときはボーカルが少し前に出て立体感が上がるように感じました。

どちらかというとあっさり系の子やモニターチックな子と組み合わせると、表情が出やすいのかな……と感じました。また、ドライバー数の少ない機種のほうが、魅力を発揮しやすいようにも感じます。

特に音の深みやウォーム感が欲しい……! そんな方にぜひ1度お試しいただきたいのが「UA7 Copper」です!


2. ONIX / Tocata XM2 Copper

〜英国の気品と職人技の融合。手のひらサイズの銅が奏でる珠玉のピュアDAP〜

Tocata XM2 Copper_1

高強度銅合金CNC一体加工ボディ

Cirrus Logic製8chフラッグシップDAC「CS4308P」

音楽再生専用OSによる軽快動作

Tocata XM2 Copper_2
Tocata XM2 Copper_3

イギリスの名門オーディオブランド「ONIX」が送り出す、ストリーミングアプリをあえて排除し「純粋な音楽再生」に特化させた手のひらサイズのピュアDAPです。


コンパクトなボディ(82×65×18mm)を贅沢に銅合金の一体成型で削り出し、重量は約207g。握りしめた瞬間に伝わる冷たい金属の密度感は、工芸品のような気品を放ちます。

Tocata XM2 Copper_4

音質の要となるDACには、Cirrus Logic社のフラッグシップ8ch DAC「CS4308P」を採用し、ONIX独自のディスクリート回路「Brighton」アーキテクチャでドライブ。

Tocata XM2 Copper_5

4.4mmバランスで最大800mW(@32Ω)を誇るタフな出力性能を持ちながら、銅筐体がもたらす音の厚みと滑らかさが融合し、生々しい楽器の質感と壮大な音場をコンパクトな手のひらの上で味わえます。

e☆イヤホンスタッフレビュー

スタッフ名
なおティー
所属店舗:e☆イヤホン

重厚な銅の輝きと、上品でなめらかな余韻にうっとりするプレイヤー

ポケットにすっと忍ばせておける手軽さがありながら、出てくる音は極上の空間体験。そんな驚きをくれるオーディオプレイヤー、ONIX「Tocata XM2 Copper」のご紹介です。思わずじっくりと聴き込みたくなる魅力を持っています。

ズボンのポケットにもすっぽりと収まりやすい、小ぶりで持ち運びのよいサイズ感です。しかし手に取ると、銅ならではのずっしりとした心地よい重厚感が伝わってきます。専用ケースに入れても隙間からちらりとのぞく銅の輝きが、確かな存在感を放っています。

ボリュームノブを回す質感は、段階的なクリック感がありつつも非常になめらかで、操作するたびに上質さを感じられます。通勤中や作業中など、日常の中で使いやすいのがうれしいポイントです。

USB DACモードにして2時間ほど音楽を連続再生してみたところ、ケース越しにほんのりと温かくなる程度でした。長時間の使用でも熱を気にすることなく、安心して音楽に没頭できるのは頼もしいです。

音質については、全体的にとても自然で上品なサウンドという印象です。

重心をぐっと下に置いたウォーム寄りのバランスで、深く沈み込むような響きがありつつもぼやける感覚は少なく、1つひとつの音の定位や輪郭がくっきりと浮かび上がってきます。非常に立体的な空間で、音の奥行きや空間の広がりが手に取るようにわかります。

しっとりとして、かつ生々しい空気感を味わえるため、ジャズやアコースティック音源、あるいはボーカルものの楽曲が特に映えると感じました。

ゆったりと音楽の世界に浸りたい夜のリラックスタイムにぴったりです。美しい銅の重厚感と、なめらかで立体的なサウンドをいつでもどこでも持ち歩ける、なんとも贅沢なプレイヤーです。ぜひ1度体験してみてください!


3. SHANLING / M8T Copper

〜重量563gの狂気。圧倒的物量で静寂を支配する、世界限定フラッグシップDAP〜

 M8T Copper_1

重量約563gの弩級銅合金CNCボディ

AK4191EQ×2+AK4499EX×2(デジ・アナセパレート)

デュアルJAN6418真空管搭載(3つのサウンドモード)

 M8T Copper_2
 M8T Copper_3

ポータブルオーディオの限界点に挑み続けるSHANLINGが放つ、世界数量限定のウルトラフラッグシップDAPです。


CNC一体加工で削り出されたボディは、なんと驚異の563g。ポケットに入れることを完全に拒絶した圧倒的な質量は、内部のオーディオ回路へ「据え置き機に匹敵する絶対的な静寂と制振環境」をもたらすためだけに存在します。

 M8T Copper_4

心臓部には、旭化成エレクトロニクスの最高峰「AK4191EQ×2 + AK4499EX×2」によるデジ・アナ完全セパレート構成を搭載。さらにデュアルJAN6418真空管を組み込み、「銅筐体の特性に合わせた専用のサウンドチューニング」を施すという徹底ぶり。

 M8T Copper_5

底知れぬ深さまで沈み込む重低音と、潤いに満ちた極上の中高域は、まさにポータブルオーディオの頂点と呼ぶにふさわしい世界を見せてくれます。

e☆イヤホンスタッフレビュー

スタッフ名
せめちゃん
所属店舗:e☆イヤホン

銅削り出しの圧倒的な重厚感!

まず何と言っても目を引くのが、この美しい銅色の筐体です。

単にカラーリングが銅色なだけでなく、しっかりと本物の銅合金から削り出されているため、手に取った瞬間にズッシリとした相当な重みが手にかかります。それゆえ、軽快に持ち運ぶのにはあまり向かないものの、圧倒的な存在感と重厚感、そして手に伝わる金属のひんやりとした質感は、持っているだけで所有欲を一杯に満たしてくれますね。この重みすらも心地よく思えるような高級感は、個人的にもかなりグッとくるポイントです。

そして、気になるサウンドについて。 聴いてみてまず感じるのは、真空管らしいサラサラとした耳当たりと、キメの細かい中高域の美しい質感です。全体的にはマイルドで角のないトーンで、ガツガツとした押し出しの強さはないものの、銅筐体特有の深くて包み込むような低域がしっかりと全体を支えてくれていて、非常にバランスが良い印象でした。

刺さるような高域や、くどさを感じるほどの低域といった極端な味付けが一切なく、非常に聴きやすい優等生といったイメージですね。左右の分離感や音場も適度に広々としていますが、音が飽和することなく抜け感がとても優秀! その中でも特にボーカルがスッと前に出てきてくれるのが凄く心地よく、ボーカル主体の楽曲をじっくり聴く方にはかなり向いているように感じます。

この「深くて厚みのある低音」と「キメ細やかな中高域」というキャラクターのおかげで、JAZZとの相性はもう抜群です! ウッドベースの胴鳴りから響くような芯のある塊感と、空気を含んでフワッと広がるベースの余韻。そこにピアノの角が少しまろやかになって楽曲全体へと自然に馴染み、ハイハットやブラシの細やかな音の粒まで繊細に描写しきる解像度の高さには、思わず聴き惚れてしまいました。

全体として、落ち着いた印象や優等生と一言で片付けてしまうのが惜しいくらい、聴き込めば聴き込むほどに音楽の世界へ自然と引き込まれ、一体となっていく感覚が本当に心地いいですね。

どんなジャンルでも綺麗に鳴らし切ってくれる万能さがありつつ、深みのある落ち着いた音色が好みの方には間違いなくドンピシャだと思います!


まとめ:「自分だけの機材」へと育てるロマン

銅(COPPER)製品を持つ醍醐味。それは音質や重量感だけにとどまりません。最後の魅力、それは使い込むほどに表情を変える「経年変化(エイジング)」です。

「自分だけの機材」へと育てるロマン_1

10円玉と同じように、銅合金は空気や手の油分に触れることで少しずつ酸化し、世界に二つとない深みのあるアンティークな色合いへと育っていきます。

「自分だけの機材」へと育てるロマン_2

ピカピカから、渋みを帯びて、そしてヴィンテージの風格へ――。手入れのひと手間すらも愛おしく、時間を共にするほど「自分だけの相棒」へと仕上がっていく感覚は、アルミや樹脂の製品では絶対に味わえない特権です。


重さは正義。


そして、銅は永遠のロマン。


「自分だけの機材」へと育てるロマン_3

写真やスペック表の数字だけでは、この「手にした瞬間のずっしりとした手応え」と「空気が震えるような艶やかな響き」の半分も伝わりません。

「自分だけの機材」へと育てるロマン_4

ぜひ一度、お気に入りのイヤホンやヘッドホンを握りしめて、e☆イヤホンの店頭へこの「銅」を体感しに来てください。


あなたのオーディオ観を根底から揺さぶる体験が、静かに輝きながら待っています!


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