スペックの見方

Bluetooth製品を選ぶ上で欠かせないのがスペック。
音についてはコーデック、接続安定性についてはClassとVerが重要です。
ここでは、スペックの見方についておさらいをしていきましょう。

コーデック
Class
Ver.

『A2DP』という音楽を再生する上で必須となるBluetoothのプロファイルがあります。
データをそのまま伝送は出来ないので伝送する際に音声を圧縮して転送します。
その圧縮方式がコーデックであり、主に5種類が用いられています。

■SBC
Subband Codecの略です。
A2DPに対応した機器は必ず対応しています。

■AAC
Advanced Audio Codingの略です。
iTunesでサポートされ普及しました。

■aptX
現在はQualcomm社が所有する『CD品質』を謳ったコーデックです。
固定ビットレートで遅延が少ないことも特徴です。
さらに『aptX Low Latency』という 遅延を低減することを目的としたコーデックもあります。

■aptX HD
aptXでは補いきれなかった 24bit/48kHzまでの『ハイレゾ相当』を謳うコーデックです。
576kbpsまでの伝送量に対応しています。

■LDAC
ソニーが開発した24bit/96kHzまでの『ハイレゾ相当』コーデックです。
最大990kbpsまでの伝送量に対応していますが 動的に最適化を行うためビットレートも変動します。

電波強度を規定したもので、3種類あります。
Classが異なる機器同士で繋げると電波到達距離の短い距離のClassで繋がります。

Class 最大出力の上限 最大通信距離
Class1 100mW 100m
Class2 2.5mW 10m
Class3 1mW 1m

とはいえ日本の電波法ではおおよそ50mW程度しか出せません。
さらにアンテナなどの性能によっても受信の感度が異なります。

バージョンが上がると機能が追加されたり、転送速度が向上します。
規格上5.0で2Mbpsまでの伝送が行えますが、対応する音声プロファイルがないのが現状です。

ver1.1 普及バージョン

ver1.2 2.4GHz帯域の無線LAN(11g/b)との干渉対策

ver2.0 EDR対応ならver1.2の約3倍のデータ転送速度に(最大転送速度3Mbps)

ver2.1 ペアリングの簡略化。バッテリー寿命を最大5倍延長できるSniff Subrating機能を追加

ver3.0 従来より約8倍のデータ転送速度に(最大転送速度24Mbps)

ver4.0 大幅な省電力化(BLE)対応。様々なプロファイルに対応。

ver4.1 4.0を高機能化。自動再接続やLTEとBluetooth機器間での通信干渉を抑制。

ver4.2 セキュリティの強化と転送速度の高速化。

ver5.0 ver4.0よりデータ転送速度が2倍。通信範囲が4倍に。

検証環境

「東京・新宿」と「大阪・梅田」の二か所で検証
この企画を行う上で電波が混雑した環境で検証を行う必要があると思い、入り組んだ構造で目的の出口に到着するのが難しく、乗降者数も非常に多いダンジョンと呼ばれる「東京・新宿」と「大阪・梅田」
の二か所で検証を行いました。

大阪梅田ダンジョン

大阪・梅田ダンジョンは泉の広場をスタート地点に阪神百貨店までを往復し検証を行いました。
検証に使用した端末はiPhone 7 Plus。
コーデックはSBCとAACに対応しています。

検証場所 梅田

東京・新宿ダンジョン

東京・新宿ダンジョンでは特に人通りが多くWi-Fiも飛び交う新宿駅南口からバスタ付近を周回しました。
こちらで使用した端末はSONY NW-ZX300。
コーデックはSBC、aptX、aptX HD、LDACに対応しています。

検証場所 新宿

評価軸

今回は記事執筆当時発売されている9機種を3つの評価軸を元に比較しました。

選定機種

以下の商品から選定し、順位を決定!

総合的おすすめはこれだ!
SHURE RMCE-BT1

音良し、接続安定性良し、使い勝手良しと、様々な面でメリットを感じる『SHURE RMCE-BT1』価格も比較的リーズナブルで、駆動時間も最大8時間と安定感があります。起動時は英語での音声ガイダンスもあり、バッテリーの残量をアナウンスしてくれます。
コネクタ付近は耳掛けしやすいように針金が入っています。サウンドの傾向としてはやや中低域よりのかまぼこ系。
広く、立体感のある音像は、ワイヤレス接続だということを感じさせない良質なもの。

解像度
接続安定性
快適度
Bluetooth
4.1
Class
2

連続再生:8時間
対応コーデック:SBC

コスパを優先するならこれだ!
MacaW TE10

圧倒的な低価格と、ネックバンド型の安定した装着感から、入門機、はじめの1本としておすすめです。
駆動時間は最大8時間、防水規格はIPX5となかなかのスペック。音質的にはややほかのBTケーブルと比べて解像度は落ちるものの、駆動時間や装着も含めた運用をトータルで考えるとかなりお買い得。
とりあえず、ワイヤレス化しよう、といった場合に使いやすい一品。

解像度
接続安定性
快適度
Bluetooth
4.1
Class
2

連続再生:8時間
対応コーデック:SBC aptX

音にこだわるならこれだ!
JVC SU-ARX01BT

ネックバンド型の安定感と解像度の高さはご試聴していただければ直ぐに体感していただけるでしょう。
ネックバンド部分からイヤホンに向かうケーブル部分が布巻なのも高得点、絡まりにくく見た目にもスタイリッシュ。
NFC搭載でJVC独自のアップコンバート技術搭載というのもハイテクなところ。
サウンドの傾向に関しては中低音のパワーを感じやすく、ドゥオ!っと流れ込むベースが好感触です。
ローにこだわるお客さまには是非ご検討いただきたいワイヤレス製品です。

解像度
接続安定性
快適度
Bluetooth
4.2
Class
2

連続再生:7時間
対応コーデック:SBC AAC aptX

MEE audio
BTX1

7,020

解像度
接続安定性
快適度
Bluetooth
4.0
Class
2

連続再生:7時間
対応コーデック:SBC AAC aptX

左右のバランスと長さを調節できるアジャスターのおかげで装着感は良好。
ややボーカルが近めに感じました。
カラバリがブラックに加えてクリアもあります。

LEAR
BTC-01

8,400

解像度
接続安定性
快適度
Bluetooth
4.0
Class
2

連続再生時間:3時間
対応コーデック:SBC AAC

連続再生時間が3時間というのは現実的に厳しいもの。
次回作に期待です。

radius
HC-M100BTK

8,610

解像度
接続安定性
快適度
Bluetooth
4.1
Class
2

連続再生時間:9時間
対応コーデック:SBC AAC aptX

ローが控えめで聴きやすいバランス。
iPhoneでは安定していましたが、aptXで接続されるZX300では結構途切れました。

Westone
WST-BLUETOOTH

12,800

解像度
接続安定性
快適度
Bluetooth
4.0
Class
2

連続再生時間:8時間
対応コーデック:SBC AAC aptX

ローミッドにかけてのボリューム感が低域好きには好評。
ウォームで自然な鳴り方が特徴です。
IPX4相当の生活防水に対応します。

SONY
MUC-M2BT1

20,390

解像度
接続安定性
快適度
Bluetooth
4.1
Class
2

連続再生時間:7.5時間
対応コーデック:SBC AAC aptX LDAC

やはりSONY製品ということもあり、NFCでの接続も早くZX300との親和性は抜群。
解像度は高く、ややハイに寄った鳴り方が印象的。

ELECOM
LBT-HPC1000RC

21,380

解像度
接続安定性
快適度
Bluetooth
5.0
Class
1

連続再生時間:6時間
対応コーデック:SBC AAC aptX aptX HD LDAC

解像度が高くも、自己主張の少ない優しい音。
Android8.0以降の端末をお使いの方はこれを選んでおけば間違いありません。
装着感に関してはやや難あり。