Bowers & Wilkins
Pi8
ミッドナイト・ブルー
¥65340 税込
iPhoneでaptX Adaptive接続!?デザインも音もまさにワイヤレス界のフラグシップ‼
音質やデザインの向上はもちろんのこと、特にマイク性能の良さやトランスミッター機能のコーデック向上(aptX Adaptive)など、驚くべき点が多く、まさにワイヤレス界のフラッグシップにふさわしいイヤホンだと感じました。今回ご紹介する「Pi8」は「Pi7S2」などの前回のシリーズの後継機ではなく、新たなフラッグシップモデルとして登場しています。そのため、今回は比較レビューではなく、「Pi8」単体を全く新しいシリーズとして捉え、評価していきます。
【外観・装着感】
高級感のある縁取りと、タッチセンサー表面のつややかなコーティングが印象的でした。カラーバリエーションは、明るいものからシックなものまで豊富なため、カジュアルなファッションだけでなく、落ち着いた服装とも相性が良さそうです。特に「ジェイド・グリーン」は、エレガントな服装や綺麗さを意識したコーディネートにも合いそうだと感じました。幅広い方におすすめできるデザインです。
一見、筐体が厚めに見えますが、実際にはそうではなく、フィット感は自然でやや軽めといった印象でした。耳に触れる箇所が少し凹凸のある形状をしており、表面が滑らかな素材でできていることが、フィット感の秘訣なのではないでしょうか。
【機能】
各機能とも性能が非常に高く、自宅や外出時を問わず、どんな場面でも活躍できそうだと感じました。「トランスミッター機能」については、【音質】の項目で解説しますので、それ以外の機能について言及します。
<ノイズキャンセリング性能>
ノイズキャンセリング性能は標準的ながらしっかり備わっている印象でした。特に低音にフォーカスしてキャンセリングが行われており、実際に使ってみると、空調音や細かな環境音がしっかりカットされていました。逆に、話しかけられた際には余計な雑音を取り込まず、声がはっきりと聞こえるため、より安全な状態でノイズキャンセルを使用できると感じました。
<マイク性能>
店内で録音テストを行いましたが、音質、音量、周囲の環境音のカット性能など、いずれも非常に高いレベルでした。自身の声は比較的近くで、はっきりと拾われました。多少低めのトーンで話してみましたが、しっかりと聞き取ることができました。
録音時には店内でBGMが流れており、近くで電話が鳴っていました。さらに、私はスタッフ用の名札に10個ほどアニメキャラの缶バッジを携帯と共に首から下げているため、歩くと頻繁に音が鳴ります。そのような環境下で録音しましたが、環境音はほとんど気にならず、きれいに声を録音することができました。これなら、仕事の通話などでも安心して使用できそうです。
<外音取り込み機能>
機械的な音はほとんどせず、自然な取り込み音でした。耳元で指を鳴らしたり手を叩いてみましたが、過剰な取り込みもなくナチュラルな印象でした。イヤホンをつけたまま話しても閉塞感や違和感はなく、タッチセンサーを長押しして切り替えられるので、コンビニの会計時など日常のちょっとした場面で気軽に使えそうです。
【音質】
<AAC接続時>
初めに「ブルーグラス/美波」を聴いたのですが、曲の始まりのバスドラムやバッキングギターの音が非常にはっきりと鳴っており、有線イヤホンを聴いているかのようでした。
バランスとしてはやや低域が前に出てきますが、ぼやけることなく輪郭がはっきりと捉えられ、激しいベースや低域の響きの余韻まできれいに広がっていく印象でした。個人的には、バッキングギターが埋もれることなく、一弦一弦ピックで弾いている雰囲気が伝わってくるほど心地よかったです。
また、高音域の繊細さにも感動しました。シンバルがシャリついたり耳に刺さることは全くなく、シンバルや高音域系のシンセ・SEなどの聴き心地が良く、アタックの瞬間は存在感があるのに、その後の余韻は丁寧に広がっていくのを感じました。ボーカルについては、近めで明確に聴きたい方には男性ボーカル曲が向いていると感じましたが、曲の美しさやボーカルと各楽器の定位バランスを重視するなら、女性ボーカル曲との相性が良いと感じました。いずれにせよ、バランスの取れた聴きやすい音質だと思います。
<トランスミッター機能使用時(aptX Adaptive接続)>
3.5mm-TypeCのケーブルが付属しており、「iPhone → Lightning to 3.5mm → 付属ケーブル → イヤホンケース」で接続するとトランスミッター機能が動作し、「aptX Adaptive接続」が可能です。
AAC接続時と比べて、音の精密さ、一粒一粒の細やかさやその厚みが向上したように感じました。楽器が鳴っている間や、空白のパート部分にも音の余韻がしっかり残っている印象を受けました。また、特にボーカルについては音の芯や艶やかさ、立体感が増したように聴こえました。トランスミッター機能を使用すれば、端末に左右されることなく、PCやiPhone、Bluetooth非対応端末でも高音質な音楽試聴が可能になるという点は、このイヤホンの大きな強みだと思います。
【まとめ】
どのジャンルでも十分な力を発揮できる、ポテンシャルの高いワイヤレスイヤホンだと感じました。今回はアップテンポ・ローテンポ問わず邦楽POPS(特にバンド楽曲)全般で試聴しましたが、どれも楽器の厚みを感じられ、相性が良いと感じました。ストリングス系のパートの聴こえ方も良かったため、オーケストラ系のゲーム音楽やクラシックにも合いそうです。今後もさまざまなジャンルでじっくり聴いてみたいと思うほどのポテンシャルを持ったイヤホンでした。
また、マイク性能なども優れており、テレワークや仕事用の通話にも十分に活用できる、音楽以外にも応用可能な高性能なワイヤレスイヤホンです。ご来店の際には、ぜひ試聴してみてください。
〈試聴環境〉
iPhone 14 (iOS 17.5.1):AAC接続
再生アプリ:Amazon Music
【主な試聴楽曲】
・ブルーグラス/美波
・憂、燦々/ヨルシカ
・忘れてください/ヨルシカ
・give it back/Co shu Nie
・Coffee/Mrs.GREEN APPLE
・UNDEAD/YOASOBI