スタッフレビュー詳細
立体的で厚みのある音に浸りたい方に。
より深い低域や生々しいボーカル表現を求める方、音楽により豊かな演出を求める方にオススメのモジュールです。
標準の「AMP11 MK2」に比べ、低域の立体感と響きが増しています。ボーカル表現は濃厚な低域の少し奥に定位しますが、より艶やかにしっとりとなる印象。中高域は輪郭のなめらかさはそこまで変わらず適度な粒立ちがあり、より耳当たりが優しくなっています。
標準の「AMP11 MK2s」では、厚みがありながら膨らみすぎない制動力のある低域にみずみずしいボーカル表現、なめらかな高域が印象的でした。それぞれが明瞭な音像感でバランス良く鳴る印象です。
「AMP14」では、より音の沈み込みが深くインパクトも十分に感じられます。耳を突くような荒々しい表現ではなく絶妙な丸みのある輪郭表現と深い余韻が、音楽をより心地良くドラマチックに演出します。
一聴した時点では低域の主張が強く感じられ、相対的に中〜高域は量感が少なく感じます。全体的に丸みのある柔らかい音ですが、細かな音を潰している感覚はあまり感じませんでした。ボーカルは声色の違いまで感じられる明瞭さがありますし、高域も曇らず清涼感が感じられます。
演出感が強いですが、くり返し聴くたびにスルメのように味が出る癖になる音作りです。オーディオってこういう表現もありだよなって思わせてくれるような楽しい音でした。
合わせる楽曲はどちらかと言うとしっとりと落ち着いた曲や、Madonna「Material Girl」などのちょっと古い曲も良かったです。あとはnano.RIPE「ハナノイロ」などノスタルジーな曲と相性抜群でした。ぜひ一度お試しください
【使用機器】
イヤホン:64audio N8
ケーブル:<楽-Raku 2pin→4.4φ-5極 For IEM>
【楽曲】
Madonna「Material Girl」
nano.RIPE「ハナノイロ」
etc...
量感イメージ
このスタッフの他のレビュー
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AKIRA
@e☆イヤホン 秋葉原店
qdc
Anole V14-S【QDC-ANOLE-V14-S】
¥399960 税込
オールマイティーに音楽を楽しみたい方に
4つのスイッチを駆使することで、合計16種類ものチューニングに変えて楽しめます。 スタンダードの設定では高い透明感とダイナミックレンジが広い豊かな空間表現が感じられ、深い低域から高域まで強調感なくバランス良く聴けます。空気感まで表す繊細な表現力に完成度の高さを感じました。 音質の変化に関して、チューニングのスイッチをそれぞれONにした時の印象です。 1:低域の量感が少し増え、ベースラインがより見やすくなりました。 2:中低域〜中域に厚みが出て情報量がより豊かに感じました。アタック感も少し強くなったように思います。 3:ボーカルや楽器の高域表現に鮮やかさが出てきました。高域表現がより煌びやかになります。 4:高域の響きが充実し、シンバルなどの余韻がより綺麗で伸びやかに感じられます。抜けの良さを感じる音になりました。 各スイッチは音が歪んだり粗さのある変化ではなく、透明感は維持したまま各帯域の情報量が豊かになる印象です。全てのスイッチをONにすると帯域バランスを崩すほどではありませんが、少しメリハリの付いた元気な音になり聴きごたえが出てきました。 前モデル「Anole V14」とも比較してみました。前モデルでは、全帯域の高い解像度は共通しつつもより定位感の良さを優先させたようなカッチリとした傾向です。 「Anole V14-S」では定位をしっかりと定めつつ、より空間表現が豊かになりました。音の繋がりがなめらかになり、余韻が伸びやかに感じられます。 前モデルでも優れた帯域バランスを持っていましたが、ダイナミックレンジの広い音になることで生音系なども自然に表現できるようになったと思います。 よりオールマイティーに音楽を楽しみたい方にオススメのイヤホンです!
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AKIRA
@e☆イヤホン 秋葉原店
YAMAHA
HA-L7A(B)
¥440000 税込
ヘッドホンの個性を活かし、明瞭さと迫力を最大限引き出す
PURE DIRECTモード、YH5000SEでは細やかな音を非常に明瞭に表現します。立ち上がりに関しては弦が硬く張ったような硬めな印象を受けましたが、厚みや伸びも十分に出ます。音に迫力を持たせつつ滲みなど曖昧な表現を持たせない傾向に感じました。音源やヘッドホンの癖を如実に表現する印象です。 【外観/機能】 特徴的な2つのトロイダルトランスと2つのアンプが組み合わさったようなデザインで、ダイヤルにYH-5000SEと同様にイエローのアクセントが使われているのが印象的です。 機能面では、使用していない機能の回路をバイパスすることでノイズを低減するPURE DIRECT、音楽/映像などそれぞれのコンテンツに最適な音場を再現する 6 つのサウンドフィールドモードの変更、インプットとアウトプットの選択などはダイヤルとボタンに割り当てられており、直感的な操作ができるかと思います。 【音質】 冒頭に述べたPURE DIRECTの他にサウンドフィールドをYH-5000SEで聴き比べをしてみました。この機能を使うと空間表現、ボーカル、効果音の変化がかなりハッキリと反映されます。 個人的に印象的だったのはCONCERT HALLモードです。過去に一度だけ聴くことができたゲームのサウンドトラックのホールの生演奏を聴いたことがあるのですが、このモードで聴くと空間の奥行きや残響感が当時の聴いた印象とかなり近くなり、記憶が呼び起こされる感覚がありました。正確な表現とはまた異なりますが、録音された楽曲で得られる体験としては興味深い機能です。他にもOUTDOOR LIVEモードやCONEMAモードなど様々なシチュエーションに対応したモードがあるので、ぜひお試しいただきたいです。 SENNHEISER HD 800S、PURE DIRECTモードでも試聴しました。音一つ一つの分離感がさらに高くなり、アタック感の表現はよりハッキリと感じられました。これまでのイメージでは空気感を重視した音作りに感じていましたが、音の分離感や重さなどより定位に優れた方向に変化しました。 また特筆すべき点は、HD 800Sが持つ低域の奥行き感と中〜高域の明瞭さのイメージはそのままに定位が向上した点です。正直、定位感が向上するような変化はこれまでも経験したことがあったのですが、代わりにダイナミックレンジや音場が狭くなってしまう事がほとんどでした。HA-L7Aはヘッドホンが持つ個性はそのままに、迫力や定位など、ポテンシャルを最大限引き出してくれるアンプだと感じました。 【試聴楽曲】 アーシャのアトリエ オリジナルサウンドトラック「本の棺と自動人形」 シャリーのアトリエ オリジナルサウンドトラック「小手鞠」 ラリー・カールトン「Room 335」 Hoff emsemble「Dronning Fjellrose」 Ado「私は最強」 Superfly「覚醒」 稲葉曇&Neru「ロールレスウエポン」 etc. 【使用機器】 iPhone15 Plus YH-5000SE HD 800S
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AKIRA
@e☆イヤホン 秋葉原店
ULTRASONE
Signature PURE 【ULT-SIG-PURE】
¥29700 税込
音場感と定位に優れつつインパクトのある低域が魅力
モニター的な聴き分けに優れつつ適度な距離感があり、音を客観的に捉えやすい印象です。側圧もしっかりめなのでDJモニターやロック、EDMなどにオススメです。 【外観/装着感】 全体的にマットな質感で、黒に統一されたデザインが引き締まった印象です。外箱もあまり化粧っ気を感じさせない業務用感があり、音にこだわりたい自分としては非常に好感が持てました。 【音質】 低域はしっかりとした沈み込みと量感がありつつ、中身が読み取れる解像度があります。中〜高域は量感は控えめで距離感のある鳴らし方ですが、定位と分離感が良く物足りなさは感じませんでした。 全体的に音に締まりがあり、量感が低域寄りなため骨太な表現にも対応します。出だしのインパクトに重さが乗りますが、鋭すぎる印象はなくやや丸みがあるため聴きごたえはありつつ聴きやすくもある印象です。スピード感のある楽曲にも対応しますが、高域の量感が少なめな点は好みが分かれるかと思います。 音数の多い楽曲やベースの効いたサウンドなどのインパクトはありつつも、適度な距離感や控えめな高域が聴きやすさに繋がっている印象です。 モニターだけでなくリスニングとしてもオススメです! ぜひご検討ください!
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AKIRA
@e☆イヤホン 秋葉原店
HIFIMAN
Arya Organic
¥198880 税込
解像度が高く、質の良い低域描写が魅力
ダイレクトで描写力に優れた低域、俯瞰して聴こえる中音域、控えめながらもしっかり出る高域という印象でした。低域と中音域同士の定位は近めに感じますが、どちらも支配的ということはなく上手くまとまっています。 ボーカルは俯瞰して聴きたい方、低域の質感を重視する方にオススメです。 【外観/装着感】 ウッド調のフレームを黒が引き締めた印象でカッコイイです。個人的には、ウイスキーの「ジャック・ダニエル」っぽい色味で気に入っています。 装着に関しては従来の「Arya」同様、頭を広く覆うハウジングに耳がすっぽりとハマります。イヤーパッド内径も広く高さもあるので、ドライバーに耳が当たるという事は少なそうです。 【音質】 特に印象的だったのは低域の存在感です。やや近めでダイレクトに感じられつつ量感が多すぎる事はなく、どの音から出ている響きかを分析的に捉えられる描写力がありました。 比較して中音域や高域は少し奥まって聴こえます。 ボーカルよりも楽器が一歩近く聴こえる点は好みが分かれそうですが、ボーカルを俯瞰して捉えられるのは舞台を観客席から観る感覚に近く、映画を観るときなどにマッチする印象があります。 またDACアンプ、プレイヤーなど複数の機器と繋いで聴いてみましたが、低域描写はヘッドホン側の性質が強いのか量感の変化は少なく感じました。中音域〜高域の方が上流の特性が現れやすいように思います。 【Aryaとの比較】 「Arya」、「Arya Organic」いずれも全体的にメリハリがありつつ、楽器も声もそれぞれ定位が明確な部分は共通していると思います。 「Arya Organic」で特に異なる点は、やはり低域です。比較して低域の量感が多く、インパクトはよりハッキリとしていて、響きが豊かで伸びがあります。ダイナミックレンジも広くなっていて、マイルドな印象が出てきています。 また低域の量感の多さは、前述したように相対的に楽器が前に来る印象があり、ボーカルは少し引っ込んだような印象があります。特に、Eagles「Hotel California」では顕著にその特性を感じました。 楽器の音や特に質の良い低域表現を求める方は、「Arya Organic」がオススメです! 使用機器: RME「ADI-2 DAC、HIFIMAN「EF400」、FIIO「K9」、Questyle「QPM」