スタッフレビュー詳細
原音忠実性と高い分離感の両立
Acoustuneの兄弟ブランドであるMADOOから第一弾として発表されたマルチドライバーイヤホン、Typ711のご紹介です。
MADOOは自社製品の数十年に渡る使用を想定しており、ハウジングの剛性にこだわりを持っているそうで、実際に持ってみると金属切削の曲線美に見惚れるその筐体からは、存外薄型の形状でありながら、確かな強度と金属の重みを感じられました。
ハウジングに大胆なウィンドウを設けた洒脱なデザインから繰り広げられる音は質実剛健。程よく離れて音が配置されているために、スッキリとした聴き心地で原音への忠実さをしっかりと感じつつも楽曲の細部まで拾い上げることができるような印象です。
特に中域~中高域にかけての表現力は目を見張るものがあり、頭の中で音の粒が炸裂する感覚が心地よいです。個人的には静と動の緩急のつけ方が巧みに感じられ、疾走感のある楽曲との相性が良さそうだと感じました。
スマートフォンに純正の変換ケーブルで繋げた状態でもしっかりと鳴らせており、個人的には若干低域の持ち上がりを感じましたが、全体にいい塩梅で自然に鳴っているという印象です。定位感も良好で、長時間のリスニングでも聴き疲れしなさそうです。
【試聴環境】
Astell&Kern KANN ALPHA
iPhone13ProMax
【試聴楽曲】
PSYQUI 「Funk Assembly」
アンジュ・カトリーナ、戌亥とこ、リゼ・ヘルエスタ 「3倍!Sun Shine!カーニバル!」
YamieZimmer 「Upper(feat. Henny K & 大神)[DJ Mixed Version]」
他
量感イメージ
このスタッフの他のレビュー
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あさやん
@e☆イヤホン 秋葉原店
FIIO
Q3 MQA 【FIO-Q3S-MQA】
¥19710 税込
Fiio Q3がMQAフルデコードに対応!
外観を先代「Q3 2021」と比較しますと、一部にデザインの変更が見られるものの大きな変更はございません。 スマートフォンに重ねて利用しやすい薄型のボディは、私の少々大型なスマートフォンに合わせて持ってもコンパクトに収まり、使い勝手は良さそうです。 音質は、まず第一印象として音の厚みを感じました。BASSブースト機能をオフにした状態でも低域が若干押し出されており、オンにすればさらに臨場感のある分厚い音楽の世界に誘ってくれます。 低域の心地よい主張に身を委ねつつも、ボーカル周りの中音域の描き分けが感じられ、低域に埋もれない配置がなされています。その表現の絶妙さは目を見張るものがあり、普段ヘッドホンで音楽を聴かれる方にもオススメです。 低域に主眼を置いている楽曲はBASSブーストを用いてノリノリに。女性ボーカルなどはオフにしてスッキリと。使い分けこそがQ3 MQAを活かすと感じました。 ぜひお試しください。 試聴環境 Apple iPhone13ProMax Lightning to USB Type Cケーブル(Q3 MQA付属品) Q3 MQA Yongse Expert All CuAg8 ONKYO IE-C2 試聴楽曲 ぷにぷに電機 「よわいにく(feat. oriik internet)」 中野梓(CV:竹達彩奈) 「じゃじゃ馬 Way To Go」 (sic)boy 「living dead!!(feat. KM)」 崎山蒼志 「五月雨」 長谷川白紙 「o (__*)」
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あさやん
@e☆イヤホン 秋葉原店
FIIO
FiiO Q7 【FIO-Q7-B】
¥129360 税込
全ての音を享受したい方に
一言で言い表すならパワフルかつ見通しの良いサウンドという表現になるでしょうか。押し出しの強いサウンドに色付けは少なく、フラットな音の鳴りをしているという印象を受けました。非常に高いレベルの質感に魅了されるのではないかと思います。 音の重なりも繊細に再現されるサウンドは、個人的には非常に見通しが良く感じられました。 ヘッドホンも余裕をもって鳴らしきることのできる雄大かつパワフルなリファレンスサウンドに、M17の系譜が感じられる音作りになっているのではないでしょうか。 今まで気づけなかった細かい音もしっかりと拾い上げてくれるため、聴きなれた楽曲も新たな一面を見せてくれるのではないかと思います。 据え置き機としての力強さを兼ね備えつつ、イヤホンにもしっかりその真価を発揮させてくれるアンプだと言えるのではないでしょうか。 入力系統も豊富でデジタル接続だけではなくBluetooth接続も可能なため、じっくり聴き込む目的としてはもちろんですが、スマートフォンなどを用いて手軽に高音質が楽しめるのも魅力の一つだと思います。 ぜひ一度お試しください。
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あさやん
@e☆イヤホン 秋葉原店
BGVP
NS10
¥29900 税込
バランス感覚が絶妙なサウンド
ミドルクラスながら計10基ものドライバーを搭載したイヤホン「NS10」のご紹介です。 3種類のバランス/アンバランスが交換可能なスイッチング式プラグや、音質を変更できる3種類のノズル・フィルターが付属する本製品は、様々な楽曲や聴き方に寄り添ってくれるのではないでしょうか。 今回はポップスやアニソン、その他のポピュラー音楽に最適な「Silver - Pop」のフィルターで試聴してみました。音質としては中低域~低域サウンドに下支えされたボーカルを楽しめました。 ローはしっかりと出ていますがボーカルに食い込むほどの押し出しや強調を感じることはあまりなく、声やギター、ピアノなどを主役として引き立ててくれていると感じました。それでいてキックの強い楽曲ではしっかりとその迫力を楽しめるため、各帯域の棲み分けが綺麗にできている印象です。 広範囲で満足度高く楽しめるイヤホンではないでしょうか。是非一度お試しください。 【試聴環境】 Xperia 1 V FIIO BTR15 【試聴楽曲】 千葉雄喜、Young Coco、 Jin Dogg 「チーム友達(Remix)」 PETZ 「NEW DAY (feat. Jin Dogg、kZm)」 他
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あさやん
@e☆イヤホン 秋葉原店
WAGNUS.
Blanc Owl
3.5mm 3極 FitEar type
¥29700 税込
長時間音を聴きたい方におすすめ
WAGNUS.より、音楽現場に向けたProfessionalラインの製品が登場しました。 プロミュージシャンの監修・協力により開発された当製品は、随所に「現場で使う」ことを見据えた細かな仕掛けが施されており、実用性の高さが伺えます。例えば、コネクタ部が暗いステージでも容易にLRの判別ができるよう、左右で色分けされている点です。 クリアブルーとクリアのカラーは目立ちすぎず、便利だと感じました。同社のケーブル製品の中では比較的柔らかめなケーブルに仕上がっており、取り回しは良さそうです。 サウンド傾向としては若干“ロー”の量感が削れるものの、概ね入力されたサウンドに実直で、必要な音を必要量届けてくれるような印象を受けます。長時間のリスニングではエッジの効いたサウンドが耳に刺さり聴き疲れにつながることがありますが、激しいサウンドもこのケーブルに換装するとその粒感を残したまま尖りを抑え、長く聴き続けられる音色になったように感じました。 元の楽曲に存在したクリアさは損なわれず聴き取りやすいサウンドになっており、特に中域〜高域のモニタリングに向いたケーブルであるといえるのではないでしょうか。 是非一度お試しください。 【試聴環境】 Xperia 1 V 当製品 FitEar MH 334 SR 【試聴楽曲】 ずっと真夜中でいいのに。 「あいつら全員同窓会」 Central Cee 「Doja」「LET GO」 他