スタッフレビュー詳細
じっくりとボーカルに向き合う
大きめのディスプレイを搭載したことで、以前の同社製ポータブルDAC/AMPと比べて視認性が大幅に向上しました。サンプリングレートや設定項目のアイコンも大きく表示され、快適に操作できます。タッチスクリーンは「M0PRO」のようには搭載されていませんが、ボタン操作での項目切り替えは非常にスムーズです。
筐体サイズはフラッグシップ機ということもあり少し大きめですが、スマートフォンと一緒に持っても煩わしさは感じません。また、軽量なので手が疲れることも少ないでしょう。より安定して使用するには、スマートフォンの裏に固定すると便利です。
サウンドの傾向は、本機の特徴であるDACの「Dual/Quadモード」の切り替えによって大きく変化します。
Dualモードでは、低域から高域まで落ち着いた音の鳴らし方が特徴です。全体的に少し引いた位置で鳴ってくれるため、俯瞰的に楽曲を楽しめます。その中でもボーカルはしっかりと存在感を放ち、柔らかくもぼやけない表現が魅力です。
一方、Quadモードでは、厚みのあるエネルギッシュな鳴らし方になります。特に中低域から中域がグッと前に迫ってくるため、ボーカルやメロディラインをより気持ちよく楽しめました。エネルギッシュでありながらも中高域から高域は落ち着きを保ち、刺さりが少なく丸みを帯びた音作りに驚かされます。
また、設定項目の一つであるデジタルフィルターによってもサウンドに変化をつけることが可能です。帯域の出方というよりも、音の立ち上がりや立下りに強く影響しますので、いろいろ試してお好みのフィルターを見つけてみてください。
総じて、ボーカルに意識を向けやすいポータブルDAC/AMPです。ボーカル好きな方には、ぜひお試しいただきたい一台です!
量感イメージ
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れ〜やん
@e☆イヤホン 秋葉原店
qdc
QD1 USB DAC Portable Decode
¥24750 税込
速さを感じさせるボディとサウンド
数々の名イヤホンを手掛けたqdc初のポータブルUSB DACが登場しました! まず何よりも、美しい流線型のデザインが目を引きます! 側面にはシンプルにボタンが二つ付いており、音量調整、ゲイン切り替え、Musicモードとeスポーツモード切り替えに使用します。 Musicモード(UAC2.0)/eスポーツモード(UAC1.0)切り替え機能が非常に便利です。このUACというのは“USB Audio Class”の略で、データの転送速度が1.0と2.0で異なります。PCやスマートフォンは基本的に2.0に対応し、家庭用ゲーム機は1.0に対応しているため、接続にはDAC側での切り替えが必要です。「QD1」は簡単な操作でどちらにも接続可能で、家庭用ゲーム機でも手軽に高音質を楽しめます! サウンドに関しては、クリアなボーカルと迫力のある中低域が魅力です。ボーカルはにじみやもたつきがなく、一直線に耳に飛び込んできます。セリフを聴く際にも大いに活躍しそうです。 中低域の迫力はライブ音源に最適で、これでアクションRPGをプレイしたら気持ちいいだろうなと感じさせてくれました。また、低域は控えめですが、長時間のゲームプレイや音楽鑑賞でも疲れにくく、理想的なバランスを保っています。 ぜひご試聴ください!
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れ〜やん
@e☆イヤホン 秋葉原店
Austrian Audio
Full Score one
¥242000 税込
抜群のコンビネーション
同社製ヘッドホン「The Composer」と相性抜群! ハツラツとしたサウンドはインストゥルメンタルと特に相性が良いです。 Austrian Audioらしいインダストリアルな筐体デザインが格好良く、目を引きます。ボリュームノブも大きく操作感が良いため、微調整もスムーズに行えます。4pin XLR OUT部にはスライダー式のカバーが取り付けられており、ホコリ対策もバッチリです。 電源ボタンの隣にあるボタンは、TTTテクノロジーという独自技術をON/OFFするためのものです。TTTテクノロジーは「トゥルー・トランジェント・テクノロジー」の略で、「高精密にトランジェントを再現する技術」と説明されています。実際にONにすると、若干埋もれていたシンバル類の立ち上がりや、タムのタッチがわずかに見やすくなりました。 サウンド全体では、ノイズ感が少なく、見晴らしが非常に良いです。音の立ち上がりも早く、キビキビと動いてくれます。輪郭が硬質でピシッと書き分けられているので、滲みも少なく、高解像度を求めている方には非常におすすめです。 中高域〜高域にやや寄っていますが、「The Composer」との組み合わせでは、刺さるようなきつさはありませんでした。ただし、曲によっては刺さる一歩手前や若干割れているかもと感じることもあり、高域が緩いほうが好みの方は、他のヘッドホンを検討するのも良いでしょう。 中域はスッキリとしていて、ちょうど中央に位置しています。前に出過ぎることも引っ込むこともなく、定位がしっかりしているため、ギターリフが見やすく、自然に聴くことができました。 低域は少し控えめに感じましたが、その分タイトで、ベースラインやバスドラムの細やかなニュアンスを感じ取ることができます。量感や圧よりも、正確な情報を得る方向性です。 総じて完成度が高く、「The Composer」と合わせるとその真価を発揮します。ぜひ一度お試しください!
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れ〜やん
@e☆イヤホン 秋葉原店
niimbus
US5 PRO
¥1221000 税込
感性の可否を問う。
niimbusは業務用製品を主に製造している、独LakePeople社の民間用最高級ラインに位置するブランドです。 民間用としては他に、Violectricというブランドがございます。 今回ご紹介する“niimbus/US5 Pro”はまさにフラグシップ中のフラグシップ。レビューを書く方も気合が入ります。 ヘッドホンは一番信頼を置いているFOCAL/UTOPIA SGを自宅より持ち込み、試聴を行っています。 DACに関しましては、RME/ADI-2/4 Pro SEと、セカンドオピニオンとしてFIIO/R9を使用いたしました。 まずサウンド傾向はシルキーで聴き心地の良いサウンドです。 中高域~高域に刺さりが無く、ふんわりと先の方まで伸びてゆきます。 低域も丸みを帯びており、上品で適度な沈み込みと広がりを見せてくれました。 中低域~中域にちょっとした膨らみがあり、ボーカルラインやギターラインの柔らかさに一役買っています。 駆動力も必要十分にあり、いろいろなヘッドホンに合わせやすいと感じました。 音色も安定しており、どのような曲を聴いてもUS5 Proが整えた上質さを感じられます。 空間も広く、上下左右に圧迫感や詰まりを感じさせません。奥行きもそこそこあります。 高域のふんわりとした伸びや、低域の沈み込み具合に一役買っている印象です。 さて、もう少し細かく見ていきましょう。中高域〜高域の刺さらなさは見事なものですが、その分、音の先端がかなり丸くなっています。UTOPIA SGも少し丸める気質を持っているものの、これを差し引いてもと言ったところです。立ち上がりはそこまで遅くはないものの、この丸さにより鋭利な表現は少し苦手なようです。逆に、ひたすらリラックスした中高域〜高域を求めている方には心強い味方となるでしょう。 低域の表現は上品で聴き心地もよく、適度な沈み込みでそこまで違和感は感じられません。若干下に御椀のような溜まり方はしますが、それがまた、ふんわりと広がり、温めの質感に繋がっています。お腹にズシリと来る圧のある表現や、くるぶし当たりで鳴っているような沈み込みは苦手なものの、出すべき所はしっかり出しており、音源に入っている空気のどよめきも聴こえます。これに関してはDAC側が出していても、ヘッドホン側が低域に敏感でも、アンプ側が出せなければ聴こえません。その点に置いては流石フラッグシップモデルです。 中低域〜中域は少し前目に出てきます。また、少し膨らみがあり、良く聴こえるとともに柔らかさが加算されている印象です。立ち上がりと下りが他の帯域より若干早く、混濁しないよう上手く調整されています。そのため、柔らかく聴けるのに歌詞がボヤつかず聞き取りやすくなっており、かなりの強みとなっています。 また、定位も悪くなく、概ねあるべき場所にあります。音像もその通りに形成してくれている印象です。微細部は若干見えにくいですが、ゴリゴリに情報量を出すヘッドホンアンプではないと感じているので問題ないでしょう。 空間自体はそれなりに広めで奥行きも感じられます。そこそこ奥まで探るとベールのような壁が現れますが、上に同じくといったところでしょうか。色味や表現力は基本的に固定されている印象で、音源やジャンルに関わらずUS5 PROとしての整え方に収束します。自在性はちょっと弱めです。(ここに関しては、後述する改善策でも変らないかなと感じています。ただ、この整え方がとても好きならば問題ないでしょう。) これまでに書いたネガティブな部分は、電源周りや各ケーブル、DAC、使用するヘッドホンを吟味することにより、改善したり見えなくしたりする事がある程度可能ですから、そこまで心配することはありません。寧ろ、最上位のヘッドホンアンプ等はそこが醍醐味であり、腕の見せどころでしょう。如何にネガティブを無くし、US5 PROとしての強みを残すかが勝負です。 真剣に、長く付き合えるヘッドホンアンプをお考えの方は是非一度ご試聴ください。
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れ〜やん
@e☆イヤホン 秋葉原店
NOBUNAGA Labs
桂華 (Keika) 4.4mm5極バランス/Pentaconn ear【NLI-KKA】
¥27369 税込
魅せ方のセンスが光る
きらびやかな装いながら、柔らかさも兼ね備えた一本です。 レビューには「HS1750CU」というイヤホンを使用しました。 付属のケーブルでは、空間表現が広すぎず狭すぎず、低域から高域までなだらかに出してくれるイヤホンです。 今回ご紹介の「桂華 (Keika)」にリケーブルしたことで感じた変化は、空間全体に広がりが生まれ、上下左右がより認識しやすくなりました。特に高域がわかりやすく、スッと伸びるように鳴ってくれるようになり、天井までまだまだ余裕がある印象を受けました。 また、各帯域にメリハリがつき、低域から高域までの明瞭度と解像度が上がりました。メリハリの中でも柔らかさを感じ取れるため、聴き疲れしにくい点もポイントです。3つの線材の良い所がしっかりと出ているからこそのバランスだと感じられます。 低域から中低域は柔らかく張りがあり、位置もしっかりと下にあります。少し前めに出た中域は、ボーカルがハッキリと存在感を放ちます。中高域は他の帯域と比べると少し硬めで、引き締めに一役買っています。高域は伸びがよく、刺さりも少ない印象です。 より分離よく楽曲を聴きたい方にオススメです。