スタッフレビュー詳細
真空管+銅筐体のシナジーを感じろ
真空管搭載機「SP3000T」のシャーシを銅でコーティングすることにより、さらなる静寂性と深みのある低域を実現した「SP3000T Copper」です。
赤銅の筐体は、これまでのCopper系統と同様に非常に高品質な仕上がりで、その輝きは曇ることを知りません。
「SP3000」と比べると、銅製の筐体による影響でかなりずっしりとした印象ですが、まだポータブル用途に十分対応できるサイズ感です。
「SP3000T Copper」では、レイセオン製のミリタリースペック真空管と、AKM4191EQおよびAK4499EXをデュアル構成で採用しています。
TUBEモードにすると背面の真空管が赤く光り、これがまた「らしさ」を感じさせて非常に好みです。
肝心の音質ですが、各帯域が濃密かつ重厚でありながらも、ブライトさを感じる「聴きやすいハイエンド」という印象です。
このDAPは3つのアンプモードを搭載しており、それぞれで試聴しました。
1. OPアンプモード
全体的に軽やかでありながら、低域には適度な主張があります。
もっともブライトなサウンドで、最近のPOPSやテンポの速い曲、ボーカル曲などに最適だと感じました。
特に中域の滑らかさと艶やかさが際立っており、芯のあるボーカルが空気感を伴って真っ直ぐに響くため、他のDAPを圧倒する存在感です。
高域のシンセサイザー音も鮮明に分離して再現する解像度の高さには驚かされます。
TUBEモードと比べると低域の沈み込みはやや浅いですが、楽曲や状況に応じて使い分けるのが良さそうです。
2. TUBEモード
真空管を使用したモードでは、低域の重みや質感が劇的に変化します。重厚で深みがあり、艶やかな低音は、まさに銅筐体と真空管の本領発揮といった印象です。
特にボーカルが近く、OPアンプモードよりも生々しく感じられます。
「何よりもボーカルを重視したい」という方には、TUBEモードが断然オススメです。中高域のピアノの弾力感や表現力も格段に向上するため、クラシックやジャズなど、管楽器が多い楽曲との相性が抜群だと感じました。
3. Hybrid3モード
こちらはOPアンプとTUBEの両方を組み合わせたモードです。空間の広がりを強く感じ、特に音場の縦方向への広がりが印象的です。
ドラムのキックが重く、サブベースの鳴らし方も見事で、最も聴き応えのあるモードだと感じました。
また、様々なジャンルの音源にも柔軟に対応できる万能なモードです。
以上の3つのモードを試聴して、Astell&Kernの技術力と、銅筐体・真空管のポテンシャルの高さを改めて実感しました。
ハイエンドで万能なDAPを求めている方、真空管の柔らかく弾力のある低域を求める方、そして妥協を許さない方に強くオススメできる一台です。ぜひ一度ご試聴ください。
試聴環境:
SP3000T Copper → Fitear Parterre
試聴楽曲:
YOASOBI「夜に駆ける」
量感イメージ
この商品に対する
他のスタッフのレビュー
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しばちゃん
@e☆イヤホン大阪日本橋本店
Astell&Kern
A&ultima SP3000T Copper
¥440000 税込
透明感はそのままに、銅&真空管の素晴らしさを楽しめ!
真空管を搭載した Astel&Kern のフラッグシップモデル『SP3000T』の筐体に純銅を採用したモデルが『A&ultima SP3000T copper』です。 機械的な削り出しの美しさを感じる『SP3000T』と比べると、純銅ならではの輝きがあり、美術品のような印象を受けました。 『SP3000T』と比較すると、『SP3000T copper』は約20グラムほど重くなっていますが、体感ではそれほど大きな違いは感じませんね。 音質面では、『SP3000T copper』は『SP3000T』に比べ、全体的に音の密度が増した印象です。繊細さや明瞭感、そして究極の静寂感はそのままに、さらに濃密なサウンドを楽しめます。 特に低域は量感が増し、深みのある音色に変化しました。中高域から高域にかけては、『SP3000T』の緻密で繊細、ややクールなエッジの効いたサウンドから、角が取れて安定感のある音に仕上がっています。 また、『SP3000T copper』には『SP3000T』にも搭載されていた切り替え可能なトリプルアンプシステムがあり、OPアンプ、TUBEアンプ、HYBRIDアンプの3種類からサウンドを選べます。 OPアンプモードは、3つの中で最もスッキリとした音質で、純銅の特性を活かしながらも全体的に澄み切ったサウンドを楽しめます。 TUBEアンプモードは、OPアンプと比べて濃密さが増し、純銅の特性をさらに引き出しつつ、真空管の温かみが加わることで艶やかで響きのある包まれるような音を体験できます。 HYBRIDアンプモードは、TUBEアンプとOPアンプの特性を融合させたようなモードで、純銅と真空管の良さを最大限に活かしながら、パワフルでスピード感のあるサウンドを楽しめます。このモードはさらに強度を5段階で調整できるので、好みに応じた音作りが可能です! 私のお気に入りは、透明感のあるOPアンプモードと、HYBRIDアンプモードの「1」。どちらも程よくバランスが取れていてオススメです! みなさんはどのモードがお好きですか?ぜひ店頭で試してみてくださいね! 【試聴環境】 DITA(ディータ)Project M 【試聴曲】 「Twilight Stream」/龍ヶ崎リン 「California Roll (feat. Stevie Wonder)」/Snoop Dogg 「GHOST」/星街すいせい 「Fly me to the Moon」/Frank Sinatra & Count Basie
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かかりちょー
@e☆イヤホン 秋葉原店
Astell&Kern
A&ultima SP3000T Copper
¥440000 税込
味わい深いカッパーモデル
フラッグシップモデル「SP3000T」の筐体素材が銅に変更された限定モデルです。 重量が約500gとベースモデルよりもやや増加し、持った際のずっしり感がより出ました。音自体もやや重心が下がりずっしりとした印象を受けます。 また、こちらも銅素材の影響か音の奥行き感や深みが増し、 より濃密なサウンドへと変貌したように思えます。 ベースモデルの「SP3000T」といえば真空管アンプを搭載しているプレイヤーですが、 本製品のやや柔らかな銅との親和性が高く、素材の恩恵をより実感できます。聴く人や楽曲によっては、しつこさを感じる可能性があります。 その場合はアンプモードの切り替えを上手く活用し、マッチする組み合わせを見つけましょう。個人的にはTUBEモードだと濃すぎると感じたので、オペアンプモード・ハイブリッドモードが丁度良く感じました。 総じて素材の特性が上手く活かされているプレイヤーです。ベースモデルで物足りなさを感じてる方や、ウォーム傾向のサウンドを好む方にオススメです。 ぜひお試しください。
このスタッフの他のレビュー
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アラチャン
@e☆イヤホン 秋葉原店
TAGO STUDIO TAKASAKI
T3-02
¥37400 税込
ナチュラルモニターの定番
ナチュラル系モニターイヤホンの定番「T3-02」です。定評のあるTAGO STUDIOのモニターヘッドホンである「T3-01」と同じく木のハウジングが採用されています。 T3-02には、BOX-IN-BOX構造という一般的なプロユースのレコーディングスタジオに用いられている建築構造の方式を採用しており、高い遮音性が特徴です。イヤーピースはSpinFitのシリコンイヤーチップが付属しており、装着感が良好です。 音はナチュラルで、音源に対して忠実に出してくれるように感じました。定位や空気感がしっかりしておりさすがのクオリティです。また、残響感や距離感も自然です。 ナチュラルなサウンドなので聴き疲れしにくく、長時間のリスニングにも使用できます。まさに万能という言葉がふさわしいです。 コネクタが独自規格ではありますが、純正のバランスケーブルも別売りであり、e☆イヤホン・ラボのobsidianやIoliteなども使えるのでケーブルも選べます。 ナチュラル系モニターサウンドの定番であり、優しい柔らかい音でリスニングにも使える万能派「T3-02」を是非ご試聴ください。 再生環境:SE200(ESS側)→T3-02 試聴楽曲:official髭男dism「pretender」 花譜「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」 ずっと真夜中でいいのに。「綺羅キラー(feat. Mori Caliope)」
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アラチャン
@e☆イヤホン 秋葉原店
Astell&Kern
AK ZERO2 【IRV-AK-ZERO2】
¥148500 税込
技巧派の最先鋒
”あの”Astell&KernからオリジナルIEMの第2弾が登場です。全体的にあっさりと整った音を出すように感じましたが、リスニングにも十分使えます。 見た目は非常に洗練されたインダストリアルなデザインだと感じました。第1弾の「ZERO1」と違いステムでホールドするよりも、耳のスペースに入れる感じなので装着感も良好です。また、金属筐体ではありますが、非常に軽量なアルミのため長時間の使用でも負担は少ないと思います。 音に関しては縦にも横にも音場が広く、ボーカルにも距離を感じます。どの帯域もしっかりと出ているため表現は豊かです。低域のキックやハーモニーなども聴き分けられるほど解像度は高いので、どのような音源でも合うと思います。「ZERO1」よりも分解能が上がり、細かい音まで聴き分けられる印象です。 また、4.4mmのバランス接続にすると如実に立体感が増し、より音場の広さを感じます。アニソンや女性ボーカル主体の音楽に向いていると思いました。 前作から進化した「AK ZERO2」は、広い音場と高い解像度を活かした万能機です。モニターライクにもリスニングにも使えるこの一台、ぜひご試聴ください。 再生環境:SE200(ESS側)→AK ZERO2 試聴楽曲:official髭男dism「pretender」 花譜「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」 ずっと真夜中でいいのに。「綺羅キラー(feat. Mori Caliope)」
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アラチャン
@e☆イヤホン 秋葉原店
AZLA
SednaEarfit max ASMR Standard イヤーピース
M/ML/Lサイズ各1ペア
¥2470 税込
より空間表現や臨場感が欲しいASMR好きの方へ
様々な素材で優秀なイヤーピースを生み出すAZLAから新しいイヤーピースが登場しました。医療グレードのシリコンを使用し肌なじみが良く違和感を感じさせにくい「maxシリーズ」のバリエーションモデルになります。 「そもそも『ASMR』とは何ぞや?」と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。難しく言うと「Autonomous Sensory Meridian Response」=「自律感覚絶頂反応」。簡単に説明すると「人が聴覚や視覚への刺激によって感じる、心地良い、脳がゾワゾワするといった反応・感覚」となります。ジャンルの1例を挙げますとバイノーラル録音による雑談や、美容室のサウンドを再現したものなどがあります。そのASMR用に再設計したものが今回の「SednaEarfit max ASMR Standard」です。 今回は私が普段ASMRを聴くときに使用しているMOONDROP「竹-CHU-」に装着して使用しました。 音質の変化としては音圧が上がり、全体的に少し中域が近づくような印象を受けました。中高音域が主体の女性ASMRtistの作品でも中低音域主体の男性ASMRtistの作品でも定位感が上がることにより、臨場感やリアルな空間表現を感じられます。もともと中高音域にフォーカスされている「竹-CHU-」とは相性がよさそうです。 ゲームでも使用しましたが、空間表現がリアルになることで敵の位置の把握がしやすくなったように思えます。少し高域に丸みが出るので銃声なども適度に聴きやすくなりました。 装着感としては、やはり「MAX」系の医療用シリコンのおかげで肌なじみが非常に良いです。ゲームと睡眠時に3-4時間ほど断続的に装着していましたが、痛みは他のイヤーピースより発生しにくいように思います。通常のMAXと違いなだらかに傘が広がっていく形状なので、遮音性も向上しています。より集中できますね。 サイズ展開も細かいので、実際にフィッティングすることによってより装着感の向上が期待できます。細軸用アダプターなども入っているので、多くのイヤホンで使えます。 近年拡大してきた「ASMR」市場をターゲットにしている「SednaEarfit max ASMR Standard」はより臨場感や生々しさ、空間表現を求める方におすすめです。是非ご試聴ください。 再生環境:iPhone13Pro→MOONDROP 竹-CHU- 試聴楽曲:おしごとねいろ ~看護師編~【CV:今井 麻美】 ASMR Surge 「Soap Carving」(YouTubeより)
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アラチャン
@e☆イヤホン 秋葉原店
水月雨 (MOONDROP)
Robin's Earphones (崩壊:スターレイル) コラボモデル
¥15210 税込
銀河に名を馳せる歌手と綺麗系サウンドの大本命のコラボイヤホン
フラットで透明感・定位感の高いサウンドと、プロ仕様のイヤーモニター型デザイン「Universal IEM」による快適な装着感で「セカイ」に没入できること間違いなしの「Robin's Earphones」。 実際に装着して感じたのは、耳への収まりの良さです。シェルがカスタムIEMのような人間工学に基づいた形状で設計されているため、多くの方の耳にしっかりフィットするのではないでしょうか。特に「ヘリックス」と呼ばれる部分まで成形されているため、ホールド感が高く、装着中にズレる心配もほとんどありません。このホールド感によって遮音性も優れており、ノイズキャンセリング機能と組み合わせることで、音楽を最大限に楽しめます。また、医療グレードの樹脂を使用しているため、品質と耐久性にも優れています。 外観は「銀河」を連想させる角度によって変わる星光塗装に、純白と高貴なゴールドをあしらった美しいデザイン。付属のケースにはミラー加工で大きく描かれたロビンのイラストがあり、コレクターズアイテムとしても魅力的です。 実際に試聴してみると、音の色付けは控えめで透明感があり、空間の広さが際立っています。搭載されている10mmダイナミックドライバーと6mm平面駆動ツイーターは、立ち上がりが早くレスポンスに優れ、ゆったりした楽曲からテンポの速い楽曲まで幅広く表現できるポテンシャルを秘めています。 今回試聴した音源は「銀河を独り揺蕩う」。パッケージを飾るロビンの楽曲で、コーデックはAACです。音場には程よい距離感があり、まるで俯瞰して音楽を聴いているかのような印象を受けました。縦にも横にも広がりを感じる空間の中で、ボーカルや高域が伸びやかに再現されています。また、モニターライクな味気なさはなく、艶やかさと煌びやかさが絶妙に調和しており、美しいサウンドが楽しめます。 さらに、普段聴いているSOUL'd OUTの「TOKYO通信〜Urbs Communication〜」でも試聴しました。特徴的なテンポの速いリリックも、このイヤホンの分離感とレスポンスの良さでしっかり描き切られていました。男性ボーカル・女性ボーカルのどちらにも対応できる万能なサウンドは、まさにオールラウンドと言えるでしょう。 また、バッテリーの駆動時間は最大9時間と十分で、急速充電にも対応しています。急に持ち出す場面でも安心です。 高い表現力で細部まで描き出し、楽曲を選ばない万能さ。さらに、キャラクターボイスのガイダンスや、ロビンの衣装をモチーフにした高級感あるデザインを備えた「Robin's Earphones」。コレクターズアイテムとしても、完全ワイヤレスイヤホンとしても非常に完成度が高い一品です。ぜひ一度ご試聴ください。 試聴環境 デバイス:Galaxy S24 Ultra → Robin's Earphones 試聴楽曲:ロビン · HOYO-MiX · Chevy「銀河を独り揺蕩う」 / SOUL'd OUT「TOKYO通信〜Urbs Communication〜」