スタッフレビュー詳細
無音も音の1つだということを認識させてくれる1機
【音質】
特筆すべき点は、タイトルでも挙げた無音の表現です。ドングルDACなどの小型ポータブル機器は常にノイズとの闘いになりますが、デュアルで搭載されたDACやブラッシュアップされたアンプ回路のおかげで、非常に高いS/N比を実現しています。か細く鳴るピアノのタッチや迫力のティンパニー、そして余韻に至るまで音の移り変わりをこと細かに、そして鮮やかに表現します。音のバランスはどこかを誇張することなく、音源を忠実に再現しようとする印象を受けました。
【機能・操作感】
本機には再生・停止ボタン、ボリューム操作ボタン、Gain切り替えスイッチ、UAC切り替えスイッチの4種類のボタンがついており、ドングルDACの中では比較的多く、一見とっつきにくそうなデザインだと感じる人もいるかと思います。しかし、機能自体は必要十分に抑えられており、このような広く浅いUIの方が自分が今必要な機能にアクセスしやすいというメリットにもなります。個人的にもこのデザインの方が好きです。それに、多いと言っても4つなので、使っているうちにすぐ慣れると思います。
イヤホンやヘッドホンの色をなるべく崩さず、純粋に解像度を上げたい方には、ぜひチェックしていただきたいDACです。バランスが良いため、どんなジャンルの楽曲でもしっかり表現してくれる印象ですが、個人的にはピアノソロやクラシックなどの楽曲でお試しいただきたいです。
量感イメージ
このスタッフの他のレビュー
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よしけい
@e☆イヤホン 秋葉原店
Oriolus
OA-JC5
¥24200 税込
見た目も音もクリアなヘッドホンアンプ
見た目の第一印象としてはシンプル。そして潔い側面が開放された基盤丸見えの設計。個人的な感覚にはなりますが、こういった基盤がむき出しの設計は浪漫を見出しつつも、実際使っていくとなるとどうしても埃などが気になってしまうところではあります。とはいえ、こういった電子機器を使う中で必要なメンテナンスをしていれば問題はないでしょうし、アクセスがしやすい分メンテナンスのしやすさにも繋がる一面かと思います。 音質について一言で言うとクリア。Snail's Houseの楽曲「Pixel Galaxy」を試聴した際、この楽曲はコードのシンセは歯切れ良い感じの音のバッキング、メロディは余韻を含んだ柔らかめの音のシンセで構成されており、それが混在する楽曲なのですが、コードはしっかりとトランジェントの表現の正確性が伺え、メロディは音のリリースの部分として余韻をしっかりと豊かに表現してくれるので、柔らかい音と固い音、それぞれがしっかりと共存する音楽が再現されます。 OA-OJ5は真空管アンプに加えてトランジスタのアンプも搭載したハイブリッド構成のヘッドホンアンプになっています。この2つのアンプの良い部分がしっかりと楽曲に反映されていることが体感できた部分ではないかと思いました。 また、真空管を搭載したアンプでよく挙がる不安点としてホワイトノイズの発生があるかと思いますが、今回の試聴環境ではある程度出力を上げてもホワイトノイズは全然聴こえませんでした。 クリアな音質はあまりヘッドホンやDACに左右されない印象があるので、お手持ちの機器に追加する形で導入しやすいアンプだと思います。 試聴環境 ヘッドホン NEUMANN NDH 30 DAC Oriolus OA-JC3 試聴楽曲 Pixel Galaxy/Snail's House ヘリガンナー/FINAL FANTASY VII REMAKE Original Soundtrack NO ONE LIVEA FOREVER/大和 Butterfly Effect/fox capture plan La voix du Sang/Unlucky Morpheus String Theocracy/Mili
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よしけい
@e☆イヤホン 秋葉原店
Bose
QuietComfort Earbuds
Black
¥26400 税込
迫力の低域と必要十分なノイキャン
個人的に私がQuietComfort Ultra Earbudsのユーザーでもあるので、そことの比較も踏まえて紹介していきます。 軽く総評を先に話すと、Boseのいいところをしっかり落とし込んで作られたイヤホンという印象です。かなり迫力をもって低域を鳴らしてくれる表現力と十分なノイズキャンセリングな性能。今回は主にこの2つについてお話していきます。 【音質について】 Boseと言えば低域。QC Earbudsにも、しっかりとそのエッセンスが多分に含まれています。 ウッドベースがボンボン響く様に量感をもって鳴らしてくれる表現に加え、いわゆるサブベース帯というかなり低い帯域の発音もしっかりしており、ティンパニ―のメインの音だけでなく振動ともいえるくらいの低い音が腹から響いてくるような雰囲気作りもしっかりしている印象を受けました。 中高域はどちらかというと温かみのある余韻に富んだ音をしており、迫力のある低域に対して優しさのある表現となっています。 【ノイズキャンセリングの性能について】 Ultra Earbudsユーザーの私からしても、これぐらい音を消してくれるのであればかなり満足できるほどのノイキャン性能を持っています。 Ultra Earbudsはノイキャンの強度を細かくアプリで設定できるとはいえ、一番強いノイキャンだとかなり閉塞感を覚えるほどの性能なので、このレベルから多少下がったとしても十分すぎるほどのノイキャン性能をQC Earbudsは持っています。 個人的には今Ultra Earbudsで調整している強度と同じくらいの性能をしているので、電車や町中であっても問題なく音楽に集中できると思います。
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よしけい
@e☆イヤホン 秋葉原店
FIIO
JH5
Black
¥15777 税込
豊かな低域と小気味いい高域
付属品としてバランス重視型と低域重視型の2種類のイヤーピースが付属しています。まずは低域重視型のイヤーピースを装着して試聴してみました。 一聴して感じたのは、ウッドベースがボンボンと跳ねるような低域の存在感の強さです。量感だけでなく、サブベース帯の発音もしっかりしており、腹の底から揺らすような低域を感じられます。また、高域の抜けが良く、低域の量感が多くてもそれに支配されることはなく、低域と高域がバランスよく再現されています。POPsよりもインスト系、特にドラムンベースやダブステップ等との相性はかなり良いと思います。 一方、POPsや歌ものをよく聴かれる方はイヤーピースをバランス重視型に変えるのが良いでしょう。低域の量感が抑えられ、その分ボーカルが位置する中域が存在感を出してきます。音の違いが出るイヤーピースを2種類付属してくれている点も嬉しいポイントですね。 装着感に関しては、エルゴノミクスデザインを採用しているだけあって収まりが良く、内からの圧迫感もなく非常に快適でした。ただ、イヤホン自体はそれなりに大きいので、耳が小さい方は一度装着感を試された方がいいと思います。 各帯域の出音がしっかりしている分、イヤーピースやリケーブルで音の変化を味わいやすいイヤホンとなっています。プラスαで購入しなくても、付属品の2種のイヤーピースで音が変わる体験を味わえますので、初めてイヤホンを購入される方にもおすすめの商品です。 試聴楽曲 星街すいせい「みちづれ」 fox capture plan「Butterfly Effect」 Sound Horizon「愛という名の咎」 黒沢ダイスケ「INSPION」 下村陽子「Vector to the Heavens」 ベートーヴェン「交響曲第3番 変ホ長調 作品55『英雄』」
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よしけい
@e☆イヤホン 秋葉原店
Cayin
N3Ultra
¥88990 税込
繊細かつ雄大な音色
このレビューでは、N3 Ultraの3つのモードによる音の違いについて、UIや動作面について触れていきます。 N3 Ultraは、ソリッドステートサウンド、Classic真空管サウンド、Modern真空管サウンドの3つの音色を持っており、メニューから任意に切り替えることが可能です。 〇 ソリッドステートサウンド 3種のサウンドの中で1番音の解像度が高く、はきはきとした発音が特徴です。2種の真空管サウンドと比べると大人しい音作りにはなりますが、イヤホンの特徴や良さを知りたい時にはその大人しさが良い部分になってくると思います。モニター的な音とはいいませんが、音源をしっかり分析したい時はおススメのモードです。 〇 Classic真空管サウンド いわゆる真空管アンプを通した音というのはこのモードが一番近い印象を受けました。高域の音の伸びが非常に豊かで自然な広がりをしており、音に包まれるような感覚を味わうことができます。 N3 Ultra自体の実力も含まれていると思いますが、ダイナミックレンジも非常に広く、空間の表現が繊細なためクラシック等ではより生々しさを覚えました。 ゆったりと音楽を味わいたい時はおススメのモードです。 〇 Modern真空管サウンド 真空管が持つエネルギッシュな部分を最大限に活かしたような音作りとなります。Classicと比べると中~低域がより前面に押し出され、ポップスやロックではボーカルやギターの迫力をより感じやすい音作りに変化すると思います。空間表現の繊細さについてはClassicの方に分がありますが、ウッドベースの弾むような音の表現やサブベースのただの振動に近いような音もしっかりと描写してくれます。ただ、ここに関しては使用するイヤホンのスペックにも左右される点だと思います。 音楽をノリよく楽しみたい時はおススメのモードです。 2種の真空管モード共通のこととして、ホワイトノイズがかなり抑えられているという点が挙げられます。前作N3 Proはどうしてもホワイトノイズが目立つ場面というのが多少見られましたが、N3 Ultraはインピーダンスが低く、感度が高いイヤホンでもホワイトノイズはあまり発生しなかったので、回路の見直しなどを行うことで、しっかりと進化した点の1つではないかと思います。 〇 UI、動作 基本的なUIはN3 Proとそこまで変わらず、メインメニューは広く浅くアクセスできるようなデザインとなっており、特定のアーティストや楽曲に辿り着きやすいです。サウンドの切り替えなどはプルダウンメニューから選択でき、他のAndroid搭載のDAPと同じような操作感で使用することが可能です。USB DACモードでの使用時は通常時のプルダウンメニューは使えず、右上のメニューからサウンドの切り替え等を行う形となります。私が使用している分には通常のプレイヤーとしての使用時、USB DACモード時共に変なもたつきはなく、軽快な動作でした。 N3 Proの元ユーザーとしても再び真空管サウンドの海におぼれたくなるような表現、ハードウェア、ソフトウェアの改善等非常に魅力にあふれたDAPだと思います。 純粋な有線イヤホン、ヘッドホンの再生機としておススメの1台です。