スタッフレビュー詳細
マニアの方にこそ聴いてほしいエントリー機種
コンパクトなお値段とサイズ感で大満足の音質と性能が楽しめる製品シリーズがフルモデルチェンジされました! 音質についてご紹介すると、初代のモデルにあった不満点が払拭され、音質、傾向などが大幅に改善されている印象を受けました。
全体的な音質の印象は、見晴らしが良くクリアで、細かいディテールがしっかりと感じられるバランスです。この辺は今までのiFi-Audioに共通する傾向で、ブランドに詳しい方も、これまでのイメージ通りと想像して頂いて間違いないと思います。音の粒がとても細かく、音源に対して素直で派手さを押さえた音作りが特徴です。正確な音作りが施されています。
初代「ZEN DAC」のチューニングは初代「micro iDSD」など、昔のiFi audioのチューニングに通ずるものがあり、高域がドライでエッジがキツく、音源や組み合わせるイヤホンによっては刺さりが気になることもありました。しかし、「ZEN DAC 3」の高域は少ししっとりとしていて、しなやかな質感に感じます。しっかりとした解像感とマイルドさを良いバランスで両立しているのが魅力です。
「ZEN signature」シリーズに近い方向性で、細かい表現の中に音の艶感やしっとりとした表現、空気感を感じられるのも魅力の一つです。「ZEN DAC」は粒立ちの細かい音質ですが、「ZEN DAC 3」では艶感や空気感が強化されており、大きな進化を感じます。ボーカルのリアリティや生々しさも増し、あっさりめだった「ZEN DAC」に比べて音楽性を感じられる仕上がりになっています。
この要素は他社の同価格帯の据え置きDACと比較しても大きな魅力です。人工的な音質が苦手で自然な音質が好みの方には、決め手となる要素だと思います。もう一つの大きな特徴は低域の質感です。「ZEN DAC 3」の低域はエネルギッシュで力強く、引き締まったフォーカスと強めの立ち上がりやキック感が特徴です。ベースの弦の揺れなどの再現性も高く感じました。初代「ZEN DAC」は少し低域がモヤっとしていましたが、「ZEN DAC 3」ではむしろ魅力的な低域に仕上がっています。
「SENNHEISER HD 660 S」や「Meze Audio 109 Pro」などのミドルクラスまでのヘッドホンと組み合わせるのが理想的なパワーじゃないかなと思います。パワフルな低域なので音が痩せることなく引っ張ってくれるような印象を受けました。かなり音量を大きめにしても刺さりにくいのでかっちりとした音質の機器と組み合わせるのもいいんじゃないかなと思います。アナログステージはフルバランス設計なのでバランス接続だとさらにパワーが上がります。
ヘビーなハイエンドヘッドホンは、今後発売されるであろう「ZEN CAN 3」との組み合わせを想像すると楽しみですね。「ZEN signature」と音の傾向は非常に近いものがあり、音の再生レンジや音粒の多さなどで上回ります。より透明度があって見晴らしが良い感じです。DACとアンプがセパレートタイプなので、やはり越えられない壁はありますが、よりハイエンドオーディオのエッセンスを感じられるのが「signatureシリーズ」と言えるでしょう。
総じて、「ZEN signature」が欲しいけど予算で躊躇していたという方には「ZEN DAC 3」は非常に有力な選択肢になると思います。
量感イメージ
この商品に対する
他のスタッフのレビュー
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お~
@e☆イヤホン仙台駅前店
iFi-Audio
ZEN DAC 3
¥36828 税込
ZEN DAC後継機!ハイパワーかつ濃厚なサウンドに進化!!
【前作との違い】 前作「ZEN DAC」からの大きな変更点といえば、USB入力がUSB-Cに変更されたことです。スマートフォンからOTGケーブルなしでも接続できるようになり、誰でも気軽に使用できる据え置きアンプに進化しました! また、フィルターにも変更があり、ヘッドホンなどの低域不足を改善する「XBass+」を搭載しています。 【音質】 「ZEN DAC3」では音全体が重くなった印象を受けました。切れのあるシャープな高音にしっかり沈み込みを感じる低音が、前作との大きな違いです。「POWER MATCH」を使用することでポテンシャルをさらに広げることができました。イヤホン、ヘッドホン両方ともに適していて、iFI audioの音作りが好きな方や、初めての据え置きながらもハイパフォーマンスに憧れる方にうってつけの一機種と言えますね! 3.5mmアンバランス接続では「POWER MATCH」の恩恵を受けることができます。4.4mmバランス接続ではイヤホン、ヘッドホンのポテンシャルを最大限に発揮して、音楽体験をさらに一段階向上させてくれること間違いなしです! 【外見】 「ZEN DAC3」になり、デザインも変更され、前作から装飾が加わり、より高級感が増しました。通常の据え置きとしてだけでなく、装飾の一つとしても主張しています。色味にも変化があり、青系統のボディになり、「ZEN」シリーズのシグネチャーを連想させるカラーリングになりました。 【まとめ】 前作から性能が進化して、音楽体験を向上させてくれる「ZEN DAC3」は、音作りはiFIらしく、しっかりと新しいものを今作で作り上げてきたと実感しました。ハイパフォーマンスかつコストパフォーマンスもしっかりしている「ZEN DAC3」。据え置きに興味がある方、従来機を使用していてアップグレードに興味がある方にとてもおすすめの一品です。
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えっさん
@e☆イヤホン大阪日本橋本店
iFi-Audio
ZEN DAC 3
¥36828 税込
さらに進化した。だから性能もコスパも音質も追求できちゃう!?
【ポイント】 ・全面刷新が行われた定番機種の第3世代。 ・低音ブースト機能が「XBass+」へと変更。 【デザイン】 「ZEN DAC」はシルバーなデザインで統一されていましたが、「ZEN DAC 3」では落ち着いたデザインとなりました。特に表面の装飾が特徴的で、高級感のあるデザインのように思います。良い意味でザ・オーディオ機器というよりも、アンティーク感があってオシャレな印象を受けました。 大きさは「ZEN」シリーズお馴染みのスリムでありながらコンパクトです。 【機能】 形は「ZEN DAC」とほぼ同じですが、細かい部分においてアップデートがなされています。対応フォーマットが以前の【PCM 384kHz、DSD 256】から【PCM 768kHz、DSD 512】へと拡張された他、背面のUSB入力端子がUSB Type-Cへと刷新されました。また、低音ブースト機能が以前は廉価グレードの「TrueBass」でしたが、上位機種に搭載される「XBass+」へと変更された点は要チェックです。「PowerMatch機能」も踏襲されています。 【音質】 エッジのある、というよりは艶のある鳴り方で、全体的に澄んだサウンドのように感じました。低音・高音ともにどこかをハッキリと強調するわけではなく、バランス良く鳴らしている印象です。強いて言えば、高域の方がシャキッとしているように思います。 中音域の輪郭もしっかりとしており、ボーカルの芯がクッキリ描写されている一方で、解像度の高さから楽器がボーカルに埋もれることなく、メリハリのある距離感で鳴っています。「XBass+」を使用することで、低音ブーストが稼働するので、シャキッとした高音に負けじとズンズン低音が鳴ります。低音が薄めになりがちな開放型ヘッドホンも、「ZEN DAC 3」と組み合わせて聴くことで、低音もしっかりと描写できるのではないでしょうか。 また、「ZEN DAC」と比較すると、サウンド全体がクッキリと明るくなった印象を受けました。「ZEN DAC」での低音は若干の丸みがありましたが、「ZEN DAC 3」ではその丸みを磨いてピカピカに輝かせたような、明瞭さが生まれたようです。高音もシンバルやハイハットの細かい余韻まで、丁寧に演出しているように思います。 今回、試聴するにあたってSENNHEISER【HD 800S(300Ω)】を使用しましたが、PowerMatch機能を使用することで体感そこまでパワー不足は感じませんでした。ただし【HDV 820】×【HD 800S】の組み合わせと聴き比べると、「ZEN DAC 3」では若干のパワー不足を感じます。 【総合すると・・・】 「ZEN DAC」と大きさ・形こそはほぼ同じですが、細かい点で様々なアップデートを遂げたのが、この「ZEN DAC 3」です。対応フォーマットの拡張や「XBass+」への変更により、音の鳴り方も「ZEN DAC」と比較して変化しました。スマートなサイズに直感的な操作感。シンプルだけども奥深い据え置きDACです。本製品の単体でもよし。「ZEN CAN」シリーズと組み合わせて出力をグレードアップしてみてもよし。 初めての据え置きDACデビューに、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。 【試聴環境】 NW-WM1AM2からデジタル接続で試聴しました。 ・高橋瞳「恋するピエロッティ」 ・PIERROT「HILL -幻覚の雪-」 ・WANDS「soldier」
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いけちー
@e☆イヤホン 秋葉原店
iFi-Audio
ZEN DAC 3
¥36828 税込
初めての据え置きDACアンプに挑戦したい方にオススメ!
iFi Audioより、人気の据え置きDACアンプ「ZEN DAC」の後継機「ZEN DAC 3」が登場しました。 【見た目と機能】 「ZEN DAC」に比べ、より落ち着いた暗い色調で、表面の装飾が高級感漂うデザインとなっています。また、背面のUSBポートはUSB Type-Cに変更されています。筐体もコンパクトで、置き場所に困らない点が魅力的です。 【音質】 中域の輪郭がはっきりしており、ボーカルが聴きやすいです。楽器との聴き分けもしやすく、比較すると「ZEN DAC」に比べて低域の量感がやや増えており、リズミカルに音楽を楽しめるでしょう。 初めての据え置きDACアンプを探している方にとって、非常に良い選択肢となるはずです。ぜひご検討ください。 視聴機器 TAGO STUDIO TAKASAKI T3-01 SONY MDR-MV1
このスタッフの他のレビュー
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かわちゃん
@e☆イヤホン
FIIO
K9 AKM
¥86805 税込
透明感がありニュートラルな音質
10万円を切る価格でここまで仕上げてきたのは本当にすごいです。非常に透明感があり、ニュートラルな音質だと感じました。 大きな特徴として、今までのESS系の「FIIO」製品と比べると少し温かみがあり、豊かな空気感を味わえるので、解像度重視でドライな音質であったESSとは異なる音質傾向と言えるでしょう。また、「FIIO K9」と比べるとナチュラルで音楽的な傾向を楽しめます。 高域は適度に丸みがあるので、長時間聴いていても疲れにくくエッジが刺さらない、若干のマイルドさが個人的に好みでした。自然でリアリティのある、「e☆イヤホン」2024上半期DAC・AMP部門売り上げランキング第1位になるのも納得の製品です。
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かわちゃん
@e☆イヤホン
iBasso Audio
DC-Elite
¥73260 税込
間違いなくスティックDAC最高峰の音質
まさしくスティックDACの中では最高峰の音質です。フラッグシッププレイヤーに匹敵するオーディオ回路を搭載しているとのことで、ブランドの気合の入れようがすごい...! 全体的な味付けは少なめで、極めて自然な音質です。バスパワーのスティックDACとは思えないほど音に透明感があり、音の浮かび上がりがピンポイントでふわっと浮かび上がるような独特の表現が楽しめました。 ボーカル域にとてもハリがあり、豊かな表現力が楽しめます。派手さはあえて抑えられており、ピュアな表現が楽しめる製品です。「DAPとスティックDACの差がさらに縮まったな〜」と感じました。とにかく音がいいスティックDACをお探しの方は、ぜひお手に取ってみてください。価格に納得できる体験が味わえます。
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かわちゃん
@e☆イヤホン
FIIO
KA17
Black
¥23832 税込
間違いないスティックDAC
エントリー帯のスティックDACが実現できる最高峰の音質に加え、機能性も抜群! FIIOのフラッグシップの名前に恥じない素晴らしい機種が登場いたしました。 クッキリはっきりとしていてパワフルな低域が楽しめる傾向の音質です。全世代の機種と比べると低域部分のアタック感とレンジ感が向上しており、より見晴らしの良い音質に感じました。全体的に明るめの味付けが施されていて、高域などキラキラとした表現が楽しめる機種だと感じます。 また、この価格帯の製品では破格のフラグシップDACを2基搭載しており、高いS/N比を実現! しかもクラス最高峰650mWのパワーを秘めているので、ヘッドホンなども余裕をもって駆動します。 各社のスティックDACの進化は著しく感じます。その中でもやっぱりFIIOの製品を選ばれる方は多いであろうと納得できるクオリティでした。
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かわちゃん
@e☆イヤホン
FIIO
FiiO Q7 【FIO-Q7-B】
¥121662 税込
洪水のような圧倒的な情報量
FIIOのヤバいポタアンです。ポータブルオーディオとしては比較的大きくてかさばるのに売れる理由は、「とにかく音がいい」からです。 圧倒的な物量を物語るかのような、とんでもない音の情報量が強みの音質です。ほんとに音の洪水を体いっぱいに浴びているかのような体験が味わえました。音源に込められたかすかな情報でも全て描ききるかのような気合いを感じられ、細かい音の表現やクッキリとした表現が好みの方に刺さるチューニングです。質感はややくっきり、分離感が凄まじいですね。低域のドライブ力も凄まじくて、ドラムとか打楽器のアタック感が“びしっ”と感じられる音質です。 「ES9038 Pro」「THX AAA-788+」を搭載しただけあり、ノイズもきわめて少なく熱量のあるドライブ力、情報量、クリアさを両立。音場がかなり広く、無色透明な音質でした。 「とにかくこの一台だけでポータブル環境もデスクトップ環境も素晴らしい音質で揃えたい」というわがままな要望も余裕で叶えてくれる製品だと感じました。音の洪水をぜひ一度お楽しみください。