これはなかなか、、、

とにかく小さい。小さすぎると言いたくなる。
2.5ｍｍプラグでさえ大きく目立ってしまう。
しかし、造りに安っぽさはなく、
銅塊をくりぬいたのだろうか重さを十分感じる。

この大きさであるが故、操作性、画面表示はいかんともし難い。
UIに慣れるまでは少々苦労する。

しかし、この「大きさ」からは想像できない音がする。
少々、ブライト気味な音だが、解像度、音場は
この「大きさ」としては突出している。

よく、まあこの大きさで、かつバランス接続で
これだけのS/Nを実現できたものだ。
だまってこの音を聴かせられたら、
この「大きさ」はまず想像できない。

中高音はやや強めだが、耳に突き刺さることはなく
エイジングやイコライザで対応できるだろう。
低音も決して貧弱ではない。私にはちょうど良い。
輪郭もぼやけていないし、かといって変に尖っていない。
「銅ケース」のご利益か、音は十分に腰が据わっていて
浮ついていない。

強いて言えば、「音」は良いのだが、
「音楽」としてのまとまりが今一つか？
この大きさ故、デュアルDACの利点を生かし
変に細工をせずにDACの音をそのまま
出したためであろう。
この辺は、好みの範疇だと思う。

IEMはダイナミック、BAとも卒なく鳴らすが
やはり効率は良い方が適している。
これも、この大きさの駆動力ならではの限界だろう。
どちらかと言えば、ダイナミック型がお薦めである。
いずれにしろ、素直に、小さい、安っぽくない、音がいい。

デュアルDACで、それなりの音を聴かせる臓物を
このサイズで実現できることは、正直、驚きでもある。
エポックメイキングなDAPであることに間違いはない。