【試聴レビュー】（u_u）

5分程度本機を試聴した上でのレビューで購入レビューではありません。その点ご了承ください。


＜良い点＞
●トロンボーンの如き、U字状の長い音導管が特徴的なデザイン　低音をブーストするのもこの長い音導管の役目　トロンボーンかどうかは分からないが、金管楽器をモデルにしたデザインに見える　後継機は管が増えてU-4（UFO）にでもなりそう
●スポンジパッド無しの状態でとても優しい音を奏でるイントラコンカ型イヤホン　全体的に音はしっとりふんわりとしているが繊細で解像度が高く、音場の空気感も鮮明　低音もやさしい質感ながらそれなりの量が出る　スポンジパッドありだと難しい高解像度サウンドが武器　（u_u）みたいに目を瞑って心地よく音に浸りたくなる　これが水月雨の優しさ


＜悪い点＞
●金属の音導管を延ばしまくった弊害か割と重量があり、装着感は正直良くない　流石に同社のLiebesleidやCHACONNE程でないが、パッド無しでは装着が安定し難い印象で、本機と一緒に試聴した10000円以下のイントラコンカ型イヤホン7,8種（全てスポンジパッド無し）の中で装着感はワーストだった　イントラコンカ型は重さによる装着性への影響がカナル型よりも大きいので、音導管を延ばすならそれによる装着感への影響を緩和する工夫が欲しかったと思う
●スポンジパッドをあわせるのに適した音ではない気がする　もともとがふんわりとした質感の音なので、スポンジパッドで装着感を調整してしまうと音がもこもこし過ぎてしまうかも　またイントラコンカ型としては若干音のシャキッと感に欠けるので、そこが評価を分けるかもしれない
●触覚による左右の判別がやや面倒　R側のケーブルに輪っかがついてるので視覚的にも触覚的にもそれで判断できるが、イヤホン本体を触って確認できる方が使いやすかったと思う


＜総評＞
スポンジパッドを使わせないことで、高解像度ながらもナチュラルな音質を手に入れたイントラコンカ型イヤホン　一応スポンジパッドは付属するらしいが、パッド無しの時点で音は既に完成していると試聴で感じさせられた　パッド無し試聴で音の印象が良かったイントラコンカ型は本機の他にPAI-FLATがあったが、あちらは心地良くも楽しい音なのに対し、本機は心地よさと繊細さを併せ持った音と毛色が違う　シャキッと感にやや欠ける音なのが評価を分けるかもしれないが、それでも解像度の高さはしっかり感じてもらえると思う　優しい音が好きな方は試聴してみて欲しい

欠点は装着性の悪さ　個人的に本機で痛いと思うのが「水月雨自身はスポンジパッド無しで聴いてほしいと言っているのに、装着性の悪さからそれをなかなか許してくれない」こと　スポンジパッド無しでご自慢の音をリスナーに聴いてもらうには本機を装着してもらわないといけないわけで、そこに難がある本機は本末転倒している印象がある　さらにスポンジパッド不使用を前提に音を作っている感じがあり、スポンジパッドで装着感を調整すると実力を発揮できない、というジレンマがある　「スポンジパッド不使用」という新たなスタイルを目指していくのは面白いと思うが、同時にスポンジパッド不使用によって損なわれる装着感をどう補うかというアイディアは足りていないようにも感じた　本機は長い音導管の分だけ重くなっているので、尚更必要な工夫だったと思う

ちなみに自分はPAI-FLATにダ〇ソーのAirpods&Earpods用シリコンカバーを嵌めて使っており、カバーについたイヤーフックでスポーツ用イヤホンのように装着性を上げている　水月雨がスポンジパッドでないもので本機の装着性を上げる付属品をつけることが出来ていれば、さらに高い評価を付けていたと思う　個人的に結構惜しいイヤホン　この辺はユーザー側でもどうにかできる　使い難いようなら使いやすくして長く愛用してあげてほしい


（試聴に用いたプレーヤー）
東芝 AUREX Walky AX-W10C の自己流改造機（低ワウフラ化や再生スピードの自由調整のための改造の他に、オペアンプLME49721への換装、ヘッドを含むRLC回路（トレブルブースター）の特性変更などの音質改造を行った個体）

注目すべきは中〜低音

聴いてみてまずボーカル域は期待通りだと感じました。高音の伸びは今ひとつで、高音域は少しスカスカに聴こえました。
低音も解像度高くというよりは、少しボヤケた聴こえ方ですが、想像以上にちゃんと低音が鳴ります。しかもこの少しボヤケたと言うか広がりのある低音のおかげで音場が広く感じます。ホールで聴いてるようなイメージがあります。迫力のあるよいイヤホンだと思います。ライブ音源だったり映画を観る時に使うのが良いかもしれません。

個人的にはもう少し高音に元気が欲しいので、同メーカーのイヤーピースの清泉を付けられればもっと良くなるのになぁと、無理なことですが夢想してしまいます。

音漏れ気にならないなら普段使いに最適

インナーイヤー型はiPod、iPhone付属のもの以来です。
基本的にはカナル型を使ってます。
最初に聞いてみてインナーイヤー型のスカスカな音のイメージが一新されました。
音場が広いのに音の厚みもしっかり出ています。音のバランスもいい。
確かに値段以上の音です。
それを踏まえて以下に良い点・悪い点を具体的に。

良い点
・音場が広い。手持ちのイヤホン比較ではカナル型セミオープンなE700Mと似た感じ。
・カナル型ではないのでイヤーピースとの相性を模索する必要が無く楽。カナル型では大抵スパイラルドットLに交換してます。
・カナル型に比べ、ケーブルのタッチ音がほとんど気にならない。シュア掛けしても気になる方なのでこれはびっくり。
悪い点
・悪いというほどではないけど音の粒立ちが今一歩。値段を考えれば十分だけど、上記で書いたE700Mが安くなった時に似たような値段だったので、それと比較すると…まあ定価比較で考えれば十分驚異的です。
・バランスがいい分、低音が欲しい場合苦労するかも。カナル型はイヤーピースで低音の感じも調整できますがインナーイヤー型ではそれもできないので。

総評すると音漏れが気にならない場所での日常使いに最適です。
フラットバランスなリファレンスとしてintime凪を使ってますが、それに近いバランス(低音は少々薄いし個々の音の分解能は凪が圧倒的です)で、軽い・タッチ音が気にならない、とても扱いが楽です。
ここ最近の日常使いはE700Mが劣化のため温存・使用頻度を減らし、intime碧orSATOLEX琴音を日常使いにしていました。
が、家では完全に置き換えられそうです。

インナーイヤーイヤホンの革命児　音場の広がりは異次元

インナーイヤーイヤホンは１０００円程度のものを会社で支給されて使ってました。スカスカで音が悪いものだって先入観を植え付けられてました。しかし、今回あの水月雨さんが久しぶりにインナーイヤーイヤホンを出すということで早速衝動買い。いざ、つけてみるとイヤホンとは思えない音の広がりで鳥肌。感覚では耳を覆うオープン型のヘッドホンでしょうか。持ってるヘッドホンの中ではATH‐AD９００Xに一番近い音です。
今まで3万くらいのイヤホンを使ってきましたが、ここまで広がりのあるイヤホンはありませんでしたね。素直に感動いたしました。
また大音量でもできるだけ潰さずにバランスよく出力している感じがあり、非常に綺麗です。低音のドスドスというブーミーな音は流石に出ませんが、むしろそれが音場を崩さず綺麗にまとめてくれてます。
え〜低音物足りないのかよ！って方も安心してください。付属のスポンジカバーをつければあら不思議。。。　量感のある低音がしっかり出るようになります！音場の抜けときめ細かさとは少しトレードオフになっちゃいますが、これはすごくいい塩梅です。鼓膜を揺らすような低音の音圧好きにも刺さります。

特筆すべきはピアノソロの強弱やリバーブ、そしてバックの環境音全てを聞き分けられる明瞭さでしょう。Lofi girlのチル系BGMを聴いた時、「イヤホンでこんな音が出せるのか。。。」とため息をついちゃいました。雨音や鈴虫の男、鳥のさえずりが本当に部屋の中で聴こえる気がしたんですよ。自然と、本当に、自然と涙が出ました。

音漏れはしょうがないですが、自分で聞いてるほど激しくはないです。また遮音性もほぼないので、無音だと本当に耳にイヤホンが付いてるか不安になります。
しかも７千円ちょっとでこのサウンド！？
３万くらいなら　あ～いいなぁくらいだったと思います。それでも買うかもしれません。

臨場感のおかげで音楽だけでなく、ゲームや映画鑑賞での使用もおすすめです。
これは革命以外の何物でもないでしょう。
私としては、このイヤホンはベスト・バイと言わざるを得ませんでした。